◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 3日目(14日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6558yd(パー72…
◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 3日目(14日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6558yd(パー72)◇雨(観衆2724人)
思い出すのは2022年7月20日のこと。青木瀬令奈は北海道・滝のCCで「大東建託・いい部屋ネットレディス」のプロアマ戦に備えていて、突然の“吉報”を受けた。「全英の出場権が決まりました」――。スコットランドの名門ミュアフィールドで2週後に開催されるメジャー「AIG女子オープン(全英女子)」の出場権が、当時世界ランキング92位だった自分まで下りてきたらしい。
「どうするか、決めておいてください。プロアマ戦が終わるまでに」。青木はマネジメント事務所に所属しておらず、スケジュール管理や仕事の受注は全部、自分の仕事。プロアマでアマチュア選手をホストしながら、考えろと言われても…。宿泊先、フライト予約など渡航準備は誰がする?
名うての難コース、カーヌスティGL(スコットランド)で行われた前年21年大会に初出場し、予選落ちした。男子の99年「全英オープン」で最終日最終ホールを首位で迎えたジャン・バンデベルデ(フランス)がトラブルで3打差を追いつかれた “カーヌスティの悲劇”の現場で「バンデベルデが落としたクリークにも入れた」という屈辱を晴らしたい思いもあった。しかし、急すぎる段取りを考えて、最終的に出場を見送った。
「あの時、(キャディ兼任の大西翔太)コーチと相談して“今回は国内に専念しよう”と決めたんです。でも、仲良しの藤田さいきさんが出て、いろいろ土産話を聞いて“あー、行きゃあよかったなあ…”と。だから、もう一度、絶対に行きたいんです」
今大会の「上位2人」(有資格者を除く)が得られる“全英切符”へ、この日は持ち前の粘りを見せた。12位から出て、前半アウトで1つ伸ばした。強風が吹き始めた後半インはユーティリティなど得意のウッド系クラブをフル回転させ、3バーディでボギーなし。通算10アンダーの7位まで浮上した。
「最終日は雨の影響でグリーンもソフトになるだろうから、伸ばしていかなきゃダメです」。全英出場を決めた21年大会優勝は4打差逆転。奇しくも今年も4打差。忘れ物を取りに行く条件は整った。(神戸市北区/加藤裕一)