二刀流としての復活に向け、確実に進み続けている大谷。(C)Getty Images 大谷翔平(ドジャース)は、二刀流の本…

二刀流としての復活に向け、確実に進み続けている大谷。(C)Getty Images

 大谷翔平(ドジャース)は、二刀流の本格再始動に向け、着実に歩みを進めている。

 敵地でのパドレス戦を控えていた現地時間6月10日には、今季3度目となる実戦形式の投球練習(ライブBP)を実施。デーブ・ロバーツ監督が「すごく良かった」と振り返ったマウンドで、大谷は44球を投げ、マイナーの打者延べ11人に対して、安打性の打球はゼロ。6奪三振、1四球と好結果を残した。

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 いまだ具体的な復帰の目途は経っていない。それでも大谷が二刀流の完全復活に一歩、また一歩と前進しているのは間違いない。

「投手・大谷」に対する機運が高まる一方で、二刀流の変貌に対する興味も高まっている。加齢とともに身体への負荷は増加するのは必然であり、大谷がキャリアの終盤に投打のどちらかを選択する可能性は決してゼロではないためだ。

 現地時間6月11日には、ロサンゼルスの日刊紙『Orange County Register』のエンゼルス番を務めるジェフ・フレッチャー記者が、ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のYouTubeチャンネルに登場。そこで「私はずっと、オオタニはピッチャーの方が好きなんだと思っていた」と指摘。そして、メジャー移籍を果たした当初のスカウティング評を赤裸々に明かした。

「面白いことにアメリカに来た当初、スカウティング関係者を含めた周囲は、オオタニを打者だと見なしていなかった。『あいつは投手。打者としては成功しない。そんなの馬鹿げている』とも言われていた。もし、高校卒業後すぐにアメリカに来て、ドジャースと契約していたら打者になることはなかったと思う」

 辛辣な評価があったからこそ、それを乗り越えた大谷の価値は高まったとも言える。フレッチャー記者は、「年月が経つにつれて、彼は打つ方も楽しんでいるように見えてきた。それは投手として何度も怪我をしたからかもしれないし、打者なら毎日試合に出場できるからかもしれない」と強調。大谷を間近で見てきた識者なりの“未来”を予測している。

「もし、彼が投手か打者のどちらかを選ばないといけないとしたら、打者を選ぶとは思う。ただ、それでも彼の基本的な選択は、やはり“両方”になるはずだ。なぜならオオタニは、唯一無二の存在でありたい、誰にもまねできないことを成し遂げたいと常に考えているからだ。それが彼にとっての“二刀流選手”なんだ」

 唯一無二の挑戦がどこまで続くか。ここから先、投手復帰のタイミングを含めて大谷の決断は興味深いものになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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