◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 初日(12日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6558yd(パー72)…
◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 初日(12日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6558yd(パー72)◇曇り(観衆3359人)
元来人見知りな岡山絵里が、少しだけはしゃぐように言葉を連ねた。「“私、100yd以内ヘタクソやな”とか、“アプローチあかんなあ”とか。そんな風にゴルフのことを考えて練習できる。それがほんまにうれしい」。ツアー2勝目を挙げた2021年「アクサレディス」2週後の4月「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」以来、約4年ぶりのツアー首位発進。「え?そんな前なんですか?」と驚く顔に笑みが広がった。
その4年前から持病の腰痛がひどくなった。立っても座っても寝ても痛い。ゴルフなんてとんでもない。22年にメルセデスランキング64位でシードを喪失。病院で検査するとヘルニア寸前の症状で、手術も受けた。それでも、QTを経て出場を続けた23年。「心も病んでしまって…」という岡山の身を案じた父が言った。「休みなさい」-。5試合連続予選落ちとなった8月末、所属先の冠大会「ニトリレディス」を最後にツアーから離れた。
「やせたら腰にええんちゃうかな?」。そう思ってダイエットした。アスリートの“それ”ではなく、一般女性のように食べる量を半分にした。4カ月ほどで10kg減量して昨季を迎えたが、あまりの飛距離ダウンに驚いた。徐々によくなった腰と相談しながらトレーニングを再開。24年9月末の下部ステップアップツアー唯一の4日間大会「SkyレディースABC杯」では“復活優勝”も手にした。メルセデスランキングは49位(翌年シードを決める大王製紙エリエール終了時点)となりシードを奪還、やっと戦う状態が整った。
「今もピークから8kgやせてるけど、筋力は戻って、飛距離も戻った」。クラブも調整して、元気だった時のシャフトを差した。どん底の頃、「もう私無理やわ」という愚痴を散々聞いてくれたプロキャディの木村翔氏に専属、帯同を頼んだ。毎日1時間の針治療、体のメンテナンスは欠かせないが、今季は出場12戦で予選通過7試合、4週前「Sky RKBレディス」では4位に入るなど、自分でも上向き気配を感じている。
6バーディ、ボギーなしの「66」でスタートした。残り3日。「私、けっこうビビりなんで。でも、守る感じにはしたくない。バーディとりたい。伸ばし合いになると思うし、攻めたいです」。今月4日、29歳になった国内女子有数のショットメーカーの目に闘志が戻ってきた。(神戸市北区/加藤裕一)