西田の状態を見極めながら、攻め抜いた中谷。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext アグレッシ…

西田の状態を見極めながら、攻め抜いた中谷。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
アグレッシブに、そして非情に戦い抜いた。
6月8日に東京・有明コロシアムで行われたWBC・IBF世界バンタム級王座統一戦は、WBC世界同級王者の中谷潤人(M・T)が、IBF世界同級王者の西田凌佑(六島)に6回TKO勝利。日本人の無敗王者同士のマッチアップは、西田が右肩を脱臼し試合続行不可能になるという壮絶な決着を見た。
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異彩を放ったのは、“ビッグバン”だった。「いきなりダメージを与えていくということはチーム内で決めていた」という中谷は、1ラウンド目開始のゴングとともに怒涛の攻撃を開始。それに西田も応戦し、両雄は激しい打ち合いに突入した。
それでも「効いたパンチもなかった」と飄々と語った中谷は、「目の腫れだったりとか、腕だったりとか、本当に潰していくというイメージで打っていった」と反撃にひるまず。3回に肩を痛め、守勢に回っていった西田を攻め続け、2団体統一を達成。己の価値を高める勝利を手にした。
西田の健闘も見事だった。しかし、かつてないほどの好戦的な戦いで、世界的な声価を高めた中谷には、ボクシング界の名伯楽も舌を巻いた。元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(米国)を指導した名トレーナーのテディ・アトラス氏は、自身のYouTubeチャンネル『THE FIGHT with Teddy Atlas』で26歳の日本人の異彩ぶりをクローズアップ。場内を騒然とさせた攻撃的な出足を「反撃を恐れない彼の姿勢は素晴らしい」と絶賛した。
「ナカタニはアウトサイドでも戦える。むしろ普段はそうしているんだ。ニシダに対して早々からインサイドに入って、本来取るべきではない、あるいは取る必要がないかもしれないリスクを取ってチャンスを掴んだ。もちろん強烈なパンチを食らったが、彼はチャンピオンらしく勇気を出してそれを克服した」
打たれ強さも際立った中谷の気骨を称えたアトラス氏は、「相手との間合いをコントロールできるし、カウンターを仕掛けることもできる。脚も強く、リングの使い方も上手い」と細かなスキルを列挙。そして、往年の名手たちの名を挙げ、高いポテンシャルに目を向けた。
「彼は、突然、あの身長とリーチを生かし、身体を縮めて相手の懐に入って、まるでジョーフレイジャー(元世界ヘビー級王者)やジェイク・ラモッタ(元世界ミドル級王者)のように戦うんだ。まったくもって信じられないよ」
順調に行けば、来年5月に現世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)との対戦が実現する。中谷の昇級を含めてドリームマッチへの期待は否が応でも高まるが、アトラス氏は「とんでもない試合になるだろう」と予測。「もしも、ナカタニがアウトサイドから、規律正しく、そして賢く戦えば……本当に面白い試合になるはずだ」と語った。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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