ブルペンでギアを上げた投球を重ね、実践練習も無難にこなしている大谷。(C)Getty Images 完全復活に向け、「投…

ブルペンでギアを上げた投球を重ね、実践練習も無難にこなしている大谷。(C)Getty Images

 完全復活に向け、「投手・大谷」を取り巻く機運は高まっている。

 首脳陣が唸る充実の投球練習がそれを物語る。現地時間6月10日に大谷翔平(ドジャース)は、敵地サンディエゴでのパドレス戦前に実戦形式の投球練習(ライブBP)に登板。3回を想定したこの日は44球を投げ、マイナーの打者延べ11人に対して、安打性の打球はゼロ。6奪三振、1四球と好結果を残した。

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 練習後にデーブ・ロバーツ監督は「すごく良かった。速球もスイーパーもキレがあった」と出来を称賛。一方で「我々は辛抱強くやろうとしている。正直なところ、『今がその時だ』と明確にわかるタイミングなんてない」と復帰時期の明言は避けた。

 いまだマウンドに返り咲く日は見えてこない。それでも23年9月以来の登板に向けて前進し続けているのは間違いない。ゆえに「投手・大谷」の動静は米メディアでも小さくない議論のタネとなる。

 米スポーツ専門局『ESPN』の元記者で、人気ポッドキャスト番組『Rich Eisen Show』のホストとなっているリッチ・アイゼン氏は、10日に公開となった動画内で「ドジャースはオオタニをふたたび投げさせるべきだと思うかどうか」と強調。これに米野球殿堂入りを果たしている大投手のジョン・スモルツ氏は、「私は投げさせるべきだと思っている」と断言。二刀流を再起させる価値を説いた。

「もう一度投げることは彼自身が望んでいることでもある。そもそも彼がアメリカに来たのは、投打二刀流を貫き続けるためだ。今後3年以内に二刀流をやめてしまう可能性もゼロではない。それでも彼は今のスタイルでやっていきたいと考えているはずで、我々はそれを尊重すべきだ」

 貴重な才能を持つ大谷の尊さを訴えたスモルツ氏。自身も現役時代にトミー・ジョン手術を経験し、過酷なリハビリと向き合った経験を有しているレジェンドは「2度目の手術から徐々に慣れてくる時期だと思う。来年には凄いことになるかもしれない」と、覚醒に期待を寄せた。

「彼は現世代で最も偉大な選手の一人だ。だから彼の意志は尊重すべきなんだ。投げ始めとなるはずの今シーズンの後半はどうなるかわからないが、来年は野球の歴史上で、誰も見たことがないようなパフォーマンスが見られないかもしれない」

 一連の主張にアイゼン氏から「10月に復帰する可能性についてはどう考えている?」と問われたスモルツ氏は「あくまで肘や肩の状態次第だが、ポストシーズンの前までに10試合ほど投げるのは現実的な目標になると思う」と指摘。「そうなれば、調整は十分だろうし、ドジャースにとっても意味のある試合で託せる投手になる」と予測した。

 果たして、大谷はいかなる形で復活を遂げ、二刀流を本格的に再始動させるのか。その行方に興味は膨らむばかりである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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