準決勝に勝って揃って決めた。 男女セブンズ日本代表が、来夏サンフランシスコで開かれるワールドカップ・セブンズへの出場を決めた。 10月14日からスリランカ・コロンボで開催されていたアジア・セブンズシリーズの最終戦。男子は初日に香港に敗れた…

 準決勝に勝って揃って決めた。
 男女セブンズ日本代表が、来夏サンフランシスコで開かれるワールドカップ・セブンズへの出場を決めた。
 10月14日からスリランカ・コロンボで開催されていたアジア・セブンズシリーズの最終戦。男子は初日に香港に敗れたが、2日目(最終日)はノックアウトステージの初戦で中国に26-12で勝ち、準決勝で韓国を15-10と倒す。この時点で香港大会、韓国大会の成績と合わせてシリーズ獲得ポイント数で上位2チームに入ることが決まり、ワールドカップ行きが決まった。
 女子は初日を全勝で終えた後、ノックアウトステージ初戦でシンガポールに完勝(27-0)。準決勝でカザフスタンに12-10と競り勝ち、こちらも総合成績で上位2チーム入りが確定し、世界の舞台へ立つ権利を得た。

 決勝を待たずにほしかったものを手に入れた両代表は、発した言葉も同じだった。
 ひと足先に「確定」を決めた女子の中村知春主将は、苦しんで勝ったカザフスタン戦を振り返り、「納得できる試合ではない」と話し、修正した結果を決勝で示し、優勝しないと気が済まないい様子だった。
 男子の小澤大主将もそうだ。
 負けたら道が断たれる中国戦を「ディフェンスで粘れたから点が取れた」と振り返り、準決勝の韓国戦は「さすがに緊張した」と振り返った。
「ただ、みんなそれを楽しめた。自分たちがやるべきことをやって、2トライまでに抑えれば勝てる自信があった。ただ、これで前回大会で(韓国に)負けたリベンジは果たせたけど、次の決勝、香港戦で勝って昨日のリベンジをしないといけない」
 こちらも気が済んでいなかった。

 そんな気持ちで迎えたファイナル。女子は中国を10-5と破って優勝を手にした。2大会連続で頂点に立ち、1試合も負けなかった。
 しかし男子は、延長戦の末、14-19で敗れてしまった。先制し、途中で追いつかれても突き放したが、再度同点に。延長戦に入り、1分が過ぎたところでラックサイドを走られてしまった。
 それでも、3大会の通算獲得ポイント数で1位になった男子。小澤主将は、「勝ちたかったのですが…。この思いは、ワールドカップまでに晴らしたい。それまでの大会で絶対に香港に勝つ。目指しているのは、そのもっと上ですから」と話した。

 この大会ではぬかるんだグラウンドに苦しみ、男女代表ともに思うような戦いができなかったが、サクラセブンズの稲田仁ヘッドコーチは「走り込んできた成果は出せたと思います。こういう状況の中でも勝てたことは自信にしていいと思う」と語り、「ただ、もっともっと高めてワールドシリーズに臨みたい」とした。
 ワールドカップへの出場権獲得という、このシリーズでの戦いに課されていたものは手にした日本代表だったが、世界と伍していくには足りない。コーチ、選手たちは、スタートラインに立ったような表情をしていた。

 アジアからは、男子は日本と香港、女子は日本と中国がワールドカップ・セブンズに出場する。