中谷の圧巻パフォーマンスに海外メディアも賛辞を贈った(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext …

中谷の圧巻パフォーマンスに海外メディアも賛辞を贈った(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 6月8日、東京・有明コロシアムで行われたWBC・IBF世界バンタム級王座統一戦は、WBC世界同級王者の中谷潤人(M・T)がIBF世界同級王者の西田凌佑(六島)を相手に、6回TKO勝ちを収めた。試合は大方の予想に反し初回から打撃戦が繰り広げられ、最後は西田が右肩を脱臼し試合続行不可能になるという壮絶な決着となった。

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 試合開始のゴングとともに、中谷が距離を詰めフック、アッパーを繰り出すと、西田もディフェンスの姿勢を取りながらも反撃に転じ、序盤から激しい打ち合いが演じられた。中谷の重みのあるパンチが何度も相手の顔面をとらえ攻勢が続くかと思われた中、西田のボディ打ちもヒットし、互いにダメージを負う展開に。

 ラウンドが進むにつれ、西田は偶然のバッティングにより右目が腫れあがってしまい、ドクターチェックも入りながら試合が進んだ。そして6ラウンド終了時、西田がコーナーから立ち上がることが出来ず、試合終了のゴングが鳴らされている。右目のダメージとは別に、右肩を痛めたことによるレフェリーストップとなった。

 試合を通じ、パンチの破壊力をみせつけ2本のベルトを手にした中谷。過去に無かったほどのアグレッシブなファイトを披露し、西田を退けている。そして試合後のリング上では、来年5月の対戦が有力視されている、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)に向け、「もうすぐ行くので待っていてください」と呼びかけ、笑顔も見せていた。

 井上がこの試合会場にも足を運んでいたこともあり、新たに誕生した統一王者の声は、ファンの想像をさらに膨らませるものとなった。また、海の向こうでも井上、中谷の“ドリームマッチ”実現への期待の声が上がっている。

 メキシコメディア『La Verdad Noticias』が今回の統一戦をレポート。試合内容に関しては、「“ビッグバン”の異名を持つナカタニがまたしてもその名に恥じない内容を披露した」などと振り返っている。

 さらに、中谷の勝利を伝えるとともに、「その圧倒的なパフォーマンスの後には、“モンスター”ナオヤ・イノウエへの大胆な挑戦表明も飛び出した」と記述。他にも、「この挑戦は、決して軽いものではない。イノウエは現在、世界で最も評価の高いPFP(パウンド・フォー・パウンド)ファイターの1人であり、日本国内外における真のメガスターである」などと説明する。

 同メディアは、両者の対戦について、「ナカタニ対イノウエという構図は、まさに歴史的な超ビッグマッチの予感を孕んでおり、日本中を熱狂の渦に巻き込むだけでなく、世界中のボクシングファンの視線を集めるだろう」と指摘。スケールの大きい試合だと強調している。

 西田の気迫を力でねじ伏せた中谷。そしてこの試合に勝ったことで、中谷が井上との一戦にまた一歩、近づいたことも間違いないだろう。まさに日本が誇る偉大なファイターたちの激闘は、今後も世界中のファンを沸かせていくことになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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