中日ジュニアで2度優勝…湊川誠隆氏が語るNPBジュニア開催の意義 精鋭揃いのチームだからこそ、「挫折」を味わえる。200…
中日ジュニアで2度優勝…湊川誠隆氏が語るNPBジュニア開催の意義
精鋭揃いのチームだからこそ、「挫折」を味わえる。2005年に始まったNPBジュニアトーナメントが、今年も「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」として12月26日から29日までの4日間、神宮球場と横浜スタジアムで開催される。プロへの登竜門と言われる、全国の逸材小学生が集う大会。監督として中日ドラゴンズジュニアを2度の優勝に導いた元中日の湊川誠隆さんは、「自分以外にもすごい選手がいると知る大切な機会になる」と大会の意義を語る。
「NPBジュニアに選ばれる選手は(小学生で)トップレベルの選手なので、自チームでは自分の打った、打たないで勝敗が決まる状況がほとんど。自分のレベルを再確認して、挫折というか、うまくいかないことをどう乗り越えるかを学べるという意味で、素晴らしい大会だと思います」
厳しい選考を勝ち抜いた各チーム16人のメンバーが揃うNPBジュニアでは、必然的に自チームでは味わうことのないスタメン落ちや成績不振を経験する選手が出てくる。湊川さんはそういった選手に「上には上がいる。ジュニアに選ばれなかった選手も君たちを目指して練習してくるから、ここで満足するのではなく差をもっと広めないといけない」と発破をかけ、成長を促してきた。
大会までの約3か月の準備期間も選手を褒めることはせず、練習試合に勝っても「一喜一憂しないこと」や「最後まで油断しないこと」の大切さを伝えた。プロ入りを目標にしており、それをかなえる可能性が高い選手たちだからこそ、厳しく接した。
次のステージに向け「全員を使って全員を生かしてあげたい」
一方、「選んだからには、全員を使って全員を生かしてあげたい」との思いもあった。たとえ守備固めであろうと、全員を起用して勝負した。
もちろん、守備固めで出場する選手からは「何で後半しか出してくれないのか」と不満が出ることもある。その際は「前半に出るのがレギュラーとは思っていない。守備がうまいから後半に出している。日本一の瞬間にフィールドに立っていることをイメージしてほしい」と伝えモチベーションを保った。
4番に抜擢するも打撃不振に陥った選手を、我慢して起用し続けたこともあった。準決勝まで無安打で、「このまま終えたら嫌な思い出になる」と考えた湊川さんは決勝前夜、その選手をホテルの自室に呼び出した。部屋で30分間バットを振らせ、修正ポイントを指摘すると、翌日の決勝で先制打と満塁本塁打を放ち優勝に貢献。厳しく接しながらも、全員に最後は前を向いて次のステージに進んでもらうことを心がけていた。
憧れのプロ野球選手と同じホテルで過ごし、同じグラウンドでプレーする、小学生にとっては夢のような大会。だからこそ、ただ夢に浸るのではなく、野球人生におけるきっかけをつかんでほしいと願っている。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)