3試合連続でスタメン出場した関。連係も良好なようだ(C)Volleyball World バレーボールの女子日本代表は現…

3試合連続でスタメン出場した関。連係も良好なようだ(C)Volleyball World

 バレーボールの女子日本代表は現地6月7日、カナダで行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第1週のカナダ戦に臨み、3-0(26-24、25-20、25-19)と3試合連続のストレート勝ちを収めた。

【動画】新生女子代表が好スタート!オランダを3-0で下した初戦のハイライトを見る

 カナダは日本にとって、昨年のネーションズリーグで対戦した際に2セットを先取しながら逆転負けを、それも日本開催で喫した因縁の相手。世界ランキングでも10位圏内につけ、また今年から世界的名将のジョバンニ・グイデッティ監督が指揮を執るなど決してあなどれない。さらにこの日はホーム開催とあって、地元の観客の応援もカナダに注がれた。それもあってか、日本は第1セットで今大会が始まってから初めてのデュースに持ち込まれる。それでも24-24から相手のサーブミスと、最後はセッターの関菜々巳(コネリアーノ/イタリア)がショートサーブでエースを奪い、セットを先取することに成功した。

 試合後には「自分自身はサーブで攻めることができてよかった」と語った関。司令塔としても開幕から3戦連続で先発出場を果たしている。トスワークのスタイルは「ミドルゾーン(センターエリア)を生かしながら、両サイドにトスを持っていく」と本人。ミドルブロッカーの存在やセンターエリアからのバックアタックを相手に意識させつつ、レフトとライトからの決定率を高めるというわけだ。

 その点において、今大会では石川真佑(ノヴァーラ/イタリア)と佐藤淑乃(NECレッドロケッツ川崎)、それにオポジットの和田由紀子(NEC川崎)がしっかりと得点。と同時に、開幕から2試合ではミドルブロッカーの島村春世(NEC川崎)もブロード攻撃で決定的な仕事を果たすなど、関の組み立てが勝利を演出していた。

 そのミドルブロッカーでいえば、カナダ戦はスタメンを2名とも変更し、山田二千華(NEC川崎)と荒木彩花(SAGA久光スプリングス)を起用した。試合開始早々こそトスがやや合わない様子も見受けられたが、第1セットから山田のブロード攻撃を仕掛けて得点を呼び込んだ。

 関自身は試合後、「ワンレッグ(ブロード攻撃)を使う場面で、相手ブロックがきているにも関わらず、トスを上げてしまっていた。もう少し、そこを見てから上げることができていれば」と反省。とはいえ、まだまだ戦いは始まったばかりであり、ここから練り上げていくしかない。それはミドルブロッカーに限らず、アタッカー全体に対しても言えること。そこでは、チームの得点源として活躍が目覚ましい和田も関とのコンビに関して「試合期間に入ってから一気にコンビが合うようになってきました。自分がほしいトスを毎回、持ってきていると思います」と信頼を寄せている。

 東京2020五輪を終えてから本格的に女子日本代表の司令塔を担うようになった関。2024/25クラブシーズンではイタリア・セリエAの強豪であるコネリアーノに入団し、世界トッププレーヤーに囲まれながらレベルアップに励んだ。キックオフ会見で口にした「このチームでしっかり結果を残せるように。チームを引っ張る覚悟で頑張りたい」という強い思いを、試合を重ねながら体現していく。

[文:坂口功将]

【関連記事】【女子バレー】開幕2連勝を牽引した和田由紀子の“高い志” 大一番後の言葉に漂った頼もしさ「まだまだ目指している状態にはなれていない」

【関連記事】【女子バレー】古賀紗理那の“魂”を受け継ぐエース候補が躍動! 新体制初戦で佐藤淑乃が見せた大きな可能性

【関連記事】次世代の女子バレー界を担う新星、秋本美空の実力は? 「日本代表に入りたい」と公言するニューヒロインの可能性を探る