明らかに精彩を欠き、マシンに苦心している角田。(C)Getty Images F1の強豪レッドブルで生き残れるか否か。角…

明らかに精彩を欠き、マシンに苦心している角田。(C)Getty Images
F1の強豪レッドブルで生き残れるか否か。角田裕毅は間違いなく正念場を迎えている。
とにかく調子が上向いてこない。セカンドドライバーとして今季から抜擢されたリアム・ローソンの成績不振によって、3戦目の日本GPよりドライバー交代を命じられた角田だが、加入以降でレッドブルの獲得ポイントは「7」にとどまるなど、チームとともに低調な結果が続いている。
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無論、角田だけの責任ではない。13位に終わったスペインGP後に当人が「全く改善されなかった」と嘆くほど独特の挙動をみせるマシンへの適応は依然として改善が見えてこない。これはエースとして君臨する“偉才”マックス・フェルスタッペンのサポート体制を優先的に構築してきたレッドブルの課題。クリスティアン・ホーナー代表が「あとは走る時間を積み重ねるだけだ」と再三にわたって明言するのは、そうしたチーム事情も小さくない影響が及んでいると言えよう。
欧州で行われた直近3連戦でポイント獲得の機会を逃した角田には、一部メディアで更迭論も囁かれ始めてもいる。だが、先述のようなレッドブルの内部状況を知るチームOBからは日本人ドライバーを慮る声が上がる。
現地時間6月1日に決勝を迎えたバルセロナGP後に、英メディア『Crash』の取材に応じた元レッドブルのデビッド・クルサード氏は「普通ならユウキとマックスの差は到底受け入れられるものではない」と前置きした上で、「ただ、今の状況はユウキにとって本当に厄介な状況だよ」と指摘。フェルスタッペンのために作られたとされるマシン「RB21」に苦心する角田の胸中を察した。
「彼はバルセロナでは最下位だった。これはレッドブルにとって本当に厄介な状況ではあるが、ユウキにとっても同様だ。いま、彼が『レーシング・ブルズ(姉妹チーム)に復帰させてくれないか』と叫びたいと思うことは想像に難くない。なぜなら、向こうの車の方が、彼をはじめとする多くのドライバーにとってより快適な車のように見えるからだ」
また、次々に交代しているレッドブルのセカンドドライバー問題について「最大の疑問だ」と投げかけたクルサード氏は「ただ彼らはユウキを高く評価している。決して順調に行っているわけではないが、成長を見守りたいね」と指摘。中長期的に見定めていく必要性を訴えた。
ホーナー代表の言葉を鵜呑みにすれば、今後もしばらくは角田にチャンスが与えられるのは間違いない。それでも否応なしに高まるプレッシャー下で25歳の若武者が期待に見合うだけの成果を出せるかは、大いに注目を集めそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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