センバツ高校野球を制した横浜高校、夏に向けての戦いぶりが注目だ(C)産経新聞社 明治神宮大会、センバツ甲子園大会をまたい…

 

センバツ高校野球を制した横浜高校、夏に向けての戦いぶりが注目だ(C)産経新聞社

 

 明治神宮大会、センバツ甲子園大会をまたいでの記録が、ついに止まりました。

 この春のセンバツ高校野球大会を制した横浜高校です。昨秋の新チーム発足後から、公式戦の連勝記録を伸ばしてきましたが、5月24日にノーブルホームスタジアム水戸で行われた春の関東大会準決勝・専大松戸戦に3-4で競り負け、連勝は「27」でストップしたのです。

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「横浜一強」を掲げ、夏の甲子園大会決勝まで連勝を続けることが名門の選手たちの目標になってきましたが、一旦はリセット。勝負の夏へ、仕切り直しとなりました。

 現地で取材した高校野球担当記者は言います。

「春の関東大会で、横浜高校の戦力は決して十分な状態ではありませんでした。攻撃の軸となる主将の阿部葉太外野手(3年)がけがでスタメンを外れ、プロ注目のエース左腕・奥村頼人投手(3年)も万全な状態とはほど遠く、代打で打席に立ったのみ。しかし、そんな“飛車角抜き”でも初戦の作新学院戦では8-1で7回コールド、準々決勝の浦和学院戦では3-2で競り勝ったわけですから、やっぱりめちゃくちゃ強いですよ(笑)」

 神奈川県内の、いや全国の強豪が「打倒・横浜高校」を目指す夏を前に、公式戦特有の緊張感の中、控えのメンバーが経験を積めたのは、チームの底力アップへ大きかったと評価します。

「エースと3番の強打者を欠いて春の関東大会4強というのは、十分すぎる成績でしょう。そして夏には二人が戻ってくるとなれば、戦力的には上積みしかない。負けたことで、今一度チームが引き締まるいい機会になった。夏の大会では勝つたびに『何連勝!』と、もうメディアも騒ぎませんから(笑)。目の前の試合に集中するためにも、意義のある敗戦だったと言えるでしょう」(前述の記者)

 神奈川大会の組み合わせ抽選は6月14日に行われます。

「注目は“ノーシード爆弾”。桐光学園や桐蔭学園、慶應や平塚学園といった実力校と、早い段階で対決する可能性がある。その場合、相手はすでに初戦を済ませ、横浜高校は夏の最初の試合になる場合があります。夏の“入り”は難しいもの。相手校はワンチャンあるぞ、と金星を狙ってくるでしょうね」(前述の記者)

 春夏の甲子園連覇は現実になるか。「横浜一強」の行方に、全国の高校野球ファンの熱い視線が注がれます。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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