日本代表はセルビアを下して2連勝を飾った(C)Volleyball World バレーボールの女子日本代表は現地6月6日…

日本代表はセルビアを下して2連勝を飾った(C)Volleyball World
バレーボールの女子日本代表は現地6月6日、カナダで行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第1週のセルビア戦に臨み、3-0(25-19、25-21、25-13)で開幕2連勝を飾った。キャプテンの石川真佑(ノヴァーラ/イタリア)と佐藤淑乃(NECレッドロケッツ川崎)という両アウトサイドヒッターに負けじと、この日チーム最多となる17得点をあげたのはオポジットの和田由紀子(NEC川崎)だった。
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相手サーブから始まったゲームでは、レフトからアタックを決めて先制点をあげると、以降はライト方面からもあざやかに得点を重ねる。第2セットではチーム最多の9得点を叩き出すと、第3セットは序盤こそ相手ブロックにつかまるものの、チームとしても鍵となる修正力を自らにも施し、終盤にかけて決定打を放った。
試合後には「スタートからしっかりと思いきって腕を振り抜けたのがよかった。相手は高さがあり、(ブロックの)腕が強い分、手のひらに当ててブロックを利用することを意識していました」とコメント。相手のセルビアは身長180センチ以上が標準装備、なかには190センチを超える選手も並んだが、和田は臆することなく、しっかりとコースを打ち分けて得点につなげる姿が印象的だった。
もっとも、「オフェンス力でチームを引っ張れるように」とは女子日本代表のキックオフ会見でも口にしていた意気込み。鋭いスパイクは和田の持ち味に違いないが、何よりもその高い志が彼女のパフォーマンスを支えている。振り返れば、クラブシーズンもそうだった。
京都の名門・京都橘高校を卒業後に入団したJTマーヴェラス(現・大阪MV)で4シーズンを過ごしたのち、2024-25シーズンからはNEC川崎に移籍加入。その理由を「個人として世界で戦えるプレーヤーになりたくて。それがいちばんの目標です」と和田は明かす。NEC川崎自体、選手の身体能力の強化に定評があり、和田も「試合の臨むにあたってのコンディショニングの整え方、例えばジャンプのしかた一つにしても、スキルを上げるために必要なことをもう一度、見直すことができたと思います」と土台づくりから着手して自身の成長につなげていた。
シーズンを通して見れば同じオポジットには外国籍選手と併用され、いわばゲームチェンジャーとしての起用が多く見られる傾向にはあったものの、そこでは自慢の攻撃力を炸裂させた。とはいえ、2024-25大同生命SVリーグのファイナルで準優勝に終わった直後は「まだまだ目指している状態にはなれていないです」と悔しさをにじませる姿がむしろ頼もしかった。
女子日本代表の始動に際しても、「常に高い目標を持って、世界のトップ選手を超えられるように」とあらためて強調した和田。目標への階段を着実にのぼっていく、その真っ最中だ。
[文:坂口功将]
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