昨年6月から1番で固定されている大谷。その起用法に疑問が飛んだ。(C)Getty Images 今季も大谷翔平(ドジャー…

昨年6月から1番で固定されている大谷。その起用法に疑問が飛んだ。(C)Getty Images
今季も大谷翔平(ドジャース)は驚異的なペースで“打ちまくっている”。
前人未到の「50-50(50本塁打、50盗塁)」をやってのけた昨季から続く勢いの凄まじさは、何よりも数字が物語る。現地時間6月5日の試合終了時点で61試合に出場している大谷は打率.295、23本塁打、39打点、長打率.648、OPS1.037のハイアベレージを記録。直近7試合に絞れば、打率.321、3本塁打、長打率.643とペースは上がっている。
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年間61本塁打と自己記録を更新するハイペースを維持してもいる。それだけに、貴重なポイントゲッターとなり得る大谷をより得点効率の高いスポットで起用するべきではないかという議論が白熱している。
ドジャース移籍以降の大谷は1番が主な“主戦場”となっている。移籍2年目の今季も2番以降はムーキー・ベッツやテオスカー・ヘルナンデス、ウィル・スミスなど怪我人の状況に合わせて変動しているが、二刀流スターだけは不変。.389という出塁率の高さが考慮され、先頭打者として抜擢され続けている。
そんな現状にあえてメスを入れたのは、MLBの公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Now」のホストを務めるブライアン・ケニー氏だ。以前から大谷の1番固定に疑問を抱いていたという同氏は「チームの最強打者を1番に据えるのは新時代的で、分析的というように聞こえるかもしれないが、本当にそれで得点は増えるのか? そこが私の本質的な疑問だ」と提唱。そして大谷の長打率やOPSがリーグトップクラスの水準にあることを訴えた上で、こう続けた。
「あれだけの長打率を誇る選手を1番に置くのはもったいない。ドジャースはちょっと洒落た采配に走りすぎている。他にも選択肢はあるはずなのに。あのパワーを1番打者として消費することは、明らかに過剰であり、本来の目的である点を取るというチャンスを無駄にしている」
さらに「私はどれだけ美味しいステーキにもガーリックを乗せたい。そういう方が好きなんだ」と独特な言い回しで持論を展開したケニー氏。いわゆる「オールドスクールな野球観」を説く同氏の考えには共演者は反発。かつてメッツやブレーブスでプレーしたMLB捕手のアンソニー・レッカー氏は、「確かにオオタニを4番に据えれば、数字の見え方は変わると思う。だけど、それでチーム全体の生産性が上がるかどうかは分からない」と異論を唱えた。
「オオタニの打順を下げれば、打席数は減って、ホームランは減るかもしれないけど、打点は一気に増えると思う。それこそマニー・ラミレス(元レッドソックスなど)のように年間40本塁打、150打点という“見栄えのいい数字”になるかもしれない。
でも、チーム全体のことを考えたら、オオタニは1番に置いておくべきだ。なぜなら上位陣の中で最も三振率が高いのは彼だからね。走者がいる場面では彼がボール球を振らされる可能性は上がると思うんだ。それに彼の出塁率は4割近いんだ。後ろの打者に勝負を託す方が合理的だ」
どの打順で起用しても機能しそうな大谷。今回の議論はそんな超一流であるがゆえの悩みと言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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