2025年5月31日、FC町田ゼルビア対横浜F・マリノスの試合が町田GIONスタジアムでおこなわれた。試合は3-0で横…

 2025年5月31日、FC町田ゼルビア対横浜F・マリノスの試合が町田GIONスタジアムでおこなわれた。試合は3-0で横浜FMが勝利した。町田のフォーメーションは「3-4-2‐1」のスリーバックで、ワントップになる。横浜FMのフォーメーションは「4-4‐2」で、中盤はボックス型を敷いた。

■結果的に「ゴールになっていた」場面

 町田は、前節のファジアーノ岡山戦から3人の選手を変えてきた。ミッドフィルダー(以後、MF)には相馬勇紀を、ワントップにはミッチェル・デューク、さらに左ウイングバック(以後、WB)には沼田駿也を起用してきた。

 一方の横浜FMは、前節の鹿島アントラーズ戦と同じスターティングメンバーを用意する。町田にとっては、上位に食い込む足掛かりにしたい戦いであるし、横浜FMにとっては、前節の勝利が浮上のキッカケになったのかどうかをはかる試合だと言える。

 なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=zTAfbMU4FNg

【5分の昌子源のゴールが取り消された場面】

 仙道啓矢のコーナーキックを昌子源が頭で合わせてゴールが決まったかに見えたが、沼田がゴールキーパー(以後、GK)の飯倉大樹のプレーを阻止したとして判定がくつがえり、ノーゴールになった。

 町田側にとっては「そんなに接触していないのになぜ?」と思うだろうし、横浜側からすれば、飯倉がアピールしていたように「邪魔をされた」と映るのだろう。

 あの程度の接触で体勢を崩したGKが弱いと判断するかどうかはその人の考え方によるのだが、仙道のキックがインスイングからきれいにGKを超えていたし、昌子のゴールも横浜FMの永戸勝也と松原健にサンドイッチにされながらも、2人の間から抜け出してのヘディングだったので、沼田がGKの近くに立たなくても結果的にゴールになった場面だった。おそらく、仙道のキックに対し、沼田のせいで飯倉が前に出てパンチングできなかったように見えたのだろう。
 

■「足りなかった」CBのカバーリング

【23分の遠野大弥の先制ゴールの場面】
 この場面は、遠野の美しいゴールがあってのシーンだか、このゴールのポイントはアンデルソン・ロペスの粘りからもたらされたということだ。

 ロペスにボールが渡った際、望月ヘンリー海輝がポジションを捨てて前に出てきてロペスにプレスを仕掛ける。ここで望月がロペスからボールを奪うなり、ボールを下げさせるなりできれば、遠野がシュートを打つスペースが作られなかった。

 ロペスがボールを取られないで粘ったことで、望月が引き出されることになった。遠野には林幸多郎がマークしていたが、遠野がボールをもらったすぐに振り向きざまにシュートを打つ。

 本来ならば、右ストッパーの望月が前に出ているのだから、隣にいる真ん中のセンターバック(以後、CB)の岡村大八が右にスライドしてポジションを埋めなければならない。  

 横浜FMは左サイドから攻めてきている。町田の右のSBが前に出ているので、いるべきポジションが不在になっている。そうした場合は、右にスライドしてカバーリングに集中するべきだ。

 記事後半は、28分の遠野大弥の追加点の場面から見ていこう。

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