マシンの改善が進まず、走りにもキレがない角田。その内容には批判が飛び続けている。(C)Getty Images いかに挽…

マシンの改善が進まず、走りにもキレがない角田。その内容には批判が飛び続けている。(C)Getty Images

 いかに挽回するか――。レッドブルの角田裕毅は真価を問われている。

 去る3月27日に姉妹チームのレーシングブルズから電撃昇格を果たした角田。不振にあえぎ、開幕2戦でシート交代を余儀なくされたリアム・ローソンの“代役”として、「結果」を出すと期待された25歳だが、ここまで周囲を納得させられるパフォーマンスを披露したとは言い難い。

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 とりわけ現地時間5月16日のエミリア・ロマーニャGPから続いた欧州での3連戦は苦戦続き……。直近のバルセロナGPでは、公式予選でQ1敗退。ピットレーンからのスタートとなった決勝でも、旧型パーツを使用したマシンではパフォーマンスを向上させられずに停滞。13位でフィニッシュとなって入賞を逃した。

 エースドライバーのマックス・フェルスタッペンを支える上では、安定したポイント獲得は必須条件と言える。無論、操作困難とされるマシン「RB21」の改善に大きな課題を残しているのは間違いないが、それでもレッドブルは“常勝軍団”。「全く改善されなかった」と自身も頭を抱えてしまっている角田のドライビングも批判の的となっている。

 独衛星放送『Sky』において皮肉を語ったのは、ラルフ・シューマッハ氏だ。

 絶大なるカリスマを持った伝説的なレーサーのミハエルを兄に持つレジェンドは、フェルスタッペンの現状もふまえて「車が遅すぎるんだ。それでドライバーたちがイライラしているのは分かる」とレッドブルを糾弾。そして、「彼らの状態や立場を見たければ、ユウキ・ツノダがどこで走っているかを見ればいい」と切り込んだ。

 さらに「フェルスタッペンは良いマシンを求めているが、現時点ではそれが保証されていない」と持論を語ったラルフ氏は、新たな人材の確保こそ改革に繋がると論じた。

「彼らは多くの試みを重ねてきたが、何も機能していない。私の意見では、新しい人材を招き入れる必要がある。さらに、クリスチャン・ホーナー率いるレッドブルチームの内部の雰囲気は良くないことは周知の事実だ。そのため、かつてチームで働いていた人々は戻りたがっていない。これはレッドブルが外部から調達できるものに依存していることを意味している」

 外野から厳しい目を向けられ、試練の時を迎えている角田。こうした現状を踏まえても、現地時間6月13日に開幕するカナダGPでは、Q3進出と入賞が求められそうだが、果たして……。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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