好投を続ける菅野。そのパフォーマンスに賛辞が相次いでいる。(C)Getty Images 菅野智之が“助っ人”として存在…

好投を続ける菅野。そのパフォーマンスに賛辞が相次いでいる。(C)Getty Images

 菅野智之が“助っ人”として存在価値を高めている。

 現地時間6月3日、オリオールズの菅野は、敵地でのマリナーズ戦に先発登板。アメリカン・リーグ西地区首位をひた走る難敵を相手に、7回(90球)を投げて、被安打5、1失点に抑え、4試合ぶりの5勝目(3敗)を挙げた。

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 2回にロウディ・テレズに低めカーブをすくい上げられ、右翼席に運ばれてソロ本塁打を被弾した菅野だったが、そこから崩れなかった。6回に無死一、二塁という、この日唯一、得点圏に走者を置くピンチを招いたが、ここでも相手に的を絞らせない投球術が光る。

 まずは、俊英フリオ・ロドリゲスを外角低めぎりぎりのスプリットで見逃し三振に切って取る。そして、今季に大谷翔平と並ぶメジャー最多23本塁打を放つ強打の捕手のカル・ローリーは、外角へのスプリットで二ゴロ併殺打に打ち取った。

 ストライク率も理想的な64%(90球中58球)と高く、なおかつ多彩なボールを駆使しながら芯で捉えさせない。これぞ菅野と言えるクレバーな投球は、まさに「エース」のそれであった。

 1年目で真価を発揮する菅野。開幕前には、平均球速の遅さから“パワー不足”を懸念する声もあった。しかし、12先発で、防御率3.04、WHIP1.04をマークしている35歳の右腕は、自身に向けられた懐疑論をも吹き飛ばしていると言っていい。

 そんなルーキーを、大物OBは絶賛する。オリオールズの試合中継を行っている『MASN』の解説者で、MLB通算268勝の殿堂右腕ジム・パーマー氏は「彼の凄いところは必要な時に三振が奪える力だ」と強調。「彼はどんな局面でも自分の投球が出来ていて、相手はどの球種にもヤマを張ることができないんだ」とし、球速には表れない投球術を称えた。

 野球界の傾向で言えば、菅野は決して若くはない。だからこそ、オリオールズは単年契約を結んだと考えられる。それでもパーマー氏は「35歳っていう年齢に何の意味があるんだ。少なくとも私には彼が35歳には見えない」と絶賛。そして、こう続けている。

「なんでもっと早くにこなかったんだと思う時はある。彼は今年に日本からやってきたわけだが、とても35歳の新人には見えない。まさにずっとメジャーリーグで投げていたかのような貫禄がある」

 一部ではポストシーズン進出を狙うチームからのトレードも囁かれている菅野。今の快投が続けば、その可能性は膨らむ一方だと言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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