佐藤は最多18得点をマークしてチームを勝利に導いた(C)Volleyball World 2025年度の活動をスタートさ…

佐藤は最多18得点をマークしてチームを勝利に導いた(C)Volleyball World
2025年度の活動をスタートさせたバレーボールの女子日本代表は現地時間6月4日(日本時間5日)、カナダで行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第1週のオランダ戦に臨んだ。「総じて身長の高い相手に対して、まずはサーブが大事だった」と日本代表のフェルハト・アクバシュ監督が試合後に語ったように、サーブで効果的に相手を崩して流れをつかんだ日本が3-0(25-17、25-15、25-16)でストレート勝ちを収めた。その試合で、両チームを通じて最多18得点をマークしたのがアウトサイドヒッターの佐藤淑乃である。
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佐藤といえば、筑波大学時代の2022年にシニアの日本代表に初登録されると、同年の世界選手権に出場を果たした。当時、チームはサーブの高速化を強化ポイントの一つとしており、佐藤は石川真佑(ノヴァーラ/イタリア)、宮部愛芽世(大阪マーヴェラス※所属はともに現在)らとともに強力なサーブの打ち手として、試合のアクセントになった。
以降も着実に成長を続け、大学4年生時には全日本インカレ優勝に輝くと、2024-25大同生命SVリーグではルーキーながら入団先のNECレッドロケッツ川崎でエースを務める。レギュラーシーズン44試合を戦い、総督点は895得点で堂々のチームトップ、リーグ全体でも3番目の成績を残し、最優秀新人賞に選ばれた。そうして日本で指折りのエースアタッカーとして、アクバシュ新監督の元でスタートした女子日本代表に選出された。
もっとも、佐藤はNEC川崎で背番号「2」をつけているとあって、かつてのエースにその姿を重ねる声も聞かれる。それは前回のパリ五輪ではキャプテンを務めるなど、文字どおり日本を代表するアタッカーだった古賀紗理那の存在。パリ五輪で現役を退いた古賀がNEC川崎でつけていた背番号が「2」であり、その数字を継承したのが佐藤なのである。
今回の日本代表においても、エースアタッカーとして抜擢された佐藤に寄せられる期待は、古賀のような活躍だろう。
とはいえ、NEC川崎で指揮を執り(2024-25シーズンかぎりで退任)、今回の女子日本代表でもコーチを務める金子隆行氏が「いろんな期待や見られ方があると思いますが、それを気にすることなく、自分の目指すべきゴールへ進んでもらいたい」と語ったように、佐藤本人が日の丸のステージを含めて、どのようなキャリアを描くかが第一。その点において佐藤は日本代表の活動に際し、「世界を相手に結果を残していきたい」と力強く語っている。
2028年にむけて、ニューヒロインが進む道。その一歩は、チームをストレート勝ちに導く最多得点という活躍で飾られた。
[文:坂口功将]
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