「上海ロレックス・マスターズ」(10月8日~10月15日/中国・上海/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)と第16シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)が対戦。フェデラーが3-…

「上海ロレックス・マスターズ」(10月8日~10月15日/中国・上海/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)と第16シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)が対戦。フェデラーが3-6、6-3、6-3で逆転勝利し、決勝進出を決めた。試合時間は1時間57分にも及んだ。

両者の過去の対戦は、フェデラーの16勝6敗。直近では先月の「全米オープン」で対戦し、接戦の末3-1でデル ポトロが勝利していた。デル ポトロは3回戦で世界ランキング4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を破り、準々決勝ではビクトル・トロイツキ(セルビア)に競り勝ち準決勝へ進出。しかしそのトロイツキ戦でデル ポトロは左手首を負傷しており、負傷後はバックハンドを両手で打つことができず、スライスで対応していた。この準決勝ではその怪我が影響を及ぼすのかどうかも注目される。◇   ◇   ◇

試合は序盤からマスターズ1000の準決勝にふさわしいハイレベルな内容。素早く、パワーのあるラリーが随所に展開される。デル ポトロはバックを両手で打っており、昨日の負傷の影響はないようだ。そしてフェデラーは、デル ポトロの回り込んでの強力なフォアハンドを警戒。

最初の見せ場はフェデラー。第3ゲームでチャンスをつくる。しかし4度のデュースとなり10分近くかかったがデル ポトロはなんとかしのいだ。両者キープを続けた第6ゲームで試合は動く。2本のブレークポイントをデル ポトロがつかむと、フェデラーのボールがアウトになり、デル ポトロが先にブレークに成功する。

迎えたデル ポトロのサービングフォーザセットも、フェデラーのスマッシュを交えた連続攻撃を耐えてキープ。見事フェデラーから第1セットをもぎ取った。

序盤はフェデラーが押しているように見えたが、サーブが好調なデル ポトロがこのセットだけで8本のサービスエースを取り上回った。第2セットは追い込まれたフェデラーからのサーブ。第1セットでは全く見られなかったサービスエースをこのゲームだけで3本決め、逆転に向けてギアを上げる。しかしデル ポトロの厳しいフォアハンドはなおも続く。それでも第6ゲームのデル ポトロのサービスでフェデラーはデュースに追いつくと久しぶりにチャンスが。幾度にもわたるデュースの末、5度目のブレークポイントでようやくブレークに成功。デル ポトロは観客のフェデラーへの声援に苛立つ場面も見られた。ここで勢いづくフェデラーは続くゲームをラブゲームでキープ、フェデラーの5-2へ。次のデル ポトロのサービスでも苛立ちを隠せないデル ポトロはミスが増え、セットポイントを2本握られたがなんとかキープする。しかしフェデラーは続くサービングフォーザセットをしっかりラブゲームでキープし、セットカウントは1-1となった。フェデラーがデル ポトロのフォアハンドに対応し始め、強さを見せつけた。これで勢いを取り戻したフェデラーは最終セット第3ゲームでワンチャンスをものにし、ブレーク。デル ポトロのブレークから始まった試合だったが、完全にフェデラーの流れに。フェデラーファンの声援もどんどん大きくなる。そして5-3で迎えたデル ポトロのサービスゲームも、デュースに追いつくと最後はデル ポトロのボールがネットを越えずブレーク。フェデラーの勝利が決まった。振り返ってみると、デル ポトロのチャンスはブレークに成功した第1セット第6ゲームの1本のみ。一方のフェデラーは10本のチャンスの内、3回ブレークした。接戦ではあったが、フェデラーがレジェンドとしての強さを発揮した。フェデラーは決勝でラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。世界ランキング1位と2位の頂上決戦となった。(テニスデイリー編集部)※写真は「上海ロレックス・マスターズ」決勝進出を決めたフェデラー

(Photo by Yin Liqin/CHINA NEWS SERVICE/VCG via Getty Images)