ベテランプレーヤーの矜持~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)第3回:山田直輝(FC岐阜)/前編今季からFC岐阜…

ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)
第3回:山田直輝(FC岐阜)/前編



今季からFC岐阜に加入した山田直輝

 湘南ベルマーレで過ごした2024シーズン終盤。山田直輝(34歳)の頭のなかには確かに「引退」のふた文字が浮かんでいた。

「8~9割方、気持ちは固まっていました」

 2019年に「自分を再生してくれたチーム」である湘南に復帰して6シーズン目。毎年のように残留争いに巻き込まれながらも、それを含めて湘南でのプレーを楽しんできたが、このシーズンだけは、それまでとは違う息苦しさを覚えるようになっていたという。

「ああ、引退する時が来たんだな」

 だが、家族にその思いを告げた際に返ってきた言葉が、山田の考えを一変させる。

「パパ、サッカー選手じゃなくなっちゃうの?」

 娘からの真っ直ぐな問いかけに言葉を詰まらせていたら、さらに妻の言葉が追いかけてきた。

「大好きで始めたサッカーを、もう少し、楽しんでやってもいいんじゃないの?」

 そのふたつの言葉は、消えかけていたサッカーへの情熱を再燃させる。それがFC岐阜でのキャリア続行につながった。

         

山田直輝(やまだ・なおき)
1990年7月4日生まれ。埼玉県出身。多彩なアイデアと卓越した技術を誇るミッドフィルダー。浦和レッズのアカデミーで育ち、2009年にトップ昇格。1年目からレギュラーの座をつかみ、日本代表にも選出された。しかし翌年、日本代表のアジアカップ予選、イエメン戦で負傷。以来、ケガで泣かされることが続く。2015年に湘南ベルマーレに期限付き移籍し、2018年に浦和へ復帰。2019年、再び湘南に期限付き移籍し、翌年完全移籍。そして2025年、FC岐阜に加入した。