相模原市の中学女子軟式野球チーム「相模原ハイドレンジャーズ」が結成から3年目を迎えた。3月に開かれた関東・東北・北信越…
相模原市の中学女子軟式野球チーム「相模原ハイドレンジャーズ」が結成から3年目を迎えた。3月に開かれた関東・東北・北信越大会に初出場、初優勝を果たすなど、着実に力をつけてきた。
チームは今春、1期生が3年生となり、メンバーは29人に。大半が小学生のころから少年野球チームで男子と一緒にプレーしてきた経験者だ。
「野球少女に活躍の受け皿を作りたかった」。チーム発足に奔走したのは長年、少年野球を指導してきた市学童野球協会の岡本英夫副会長だ。兄弟と一緒に入団し、活躍する女子選手は少なくないが、「中学で男女は体格差がつく。男子と混成の野球部に入っても、力負けしてレギュラーになれず、やめる子が多かった。中学に女子だけのチームがあれば続けられるのに、と思った」という。
女子選手を募集すると、当時1年生の17人が集まった。県野球連盟によると、県内では、神奈川やまゆりクラブ、横浜オール泉女子野球クラブに続き、三つめの中学女子軟式チームとなった。
頼み込んで監督になってもらったのは、指導者仲間だった田野倉利男さん(71)。元中日ドラゴンズ内野手で、球界引退後、実家の記章店を継ぎ、少年チームの指導もしていた。
田野倉さんは男子との体力差を考え、「体だけでなく頭を使う」よう求める。大声で注意することもあるが、「右打者だろ。レフト、すぐ下がらなきゃ」と理詰めだ。「教えたことを素直にのみ込んでくれるので、上達は早い」。市民選手権大会では、男子チームとも対戦し、昨年はベスト8まで進んだ。
学校の部活動ではないことから、苦労は多い。道具は自前、部室もホームグラウンドもない。練習は、つてのある企業や学校のグラウンドを借りて転々としている。練習試合の相手が少なく、男子チームや大学の女子チームと対戦することもある。
主将で投手兼三塁手の平本心愛(きより)選手(14)は中学入学前、男子と混成の野球部か、東京都町田市の女子チームに入るかで悩んだ。「相模原に女子チームができると聞いて、うれしかった」
「チーム一丸となって勝つ喜びは格別。いろんな個性をまとめるのは苦労も多いけど、今は主将をすることも面白い」という。「練習場所の確保は親や大人の支えが頼り。野球を続けさせてくれて感謝しています」と語った。
他の選手たちも「監督に叱られた事柄を試合中に思い出し、強くなれた」「学んだことを実践して勝てたので、練習もやる気が出る」と手応えを感じている。一方で、「女子はチームがまだ少ない。女子野球を知ってほしいし、私たちも女子野球を盛り上げたい」との声も聞かれた。
長女がメンバーという会社員三浦李香さん(41)は「練習場所が毎回変わるので、送迎の苦労はあるが、本人が楽しそうなのが何より。礼儀や人間関係の築き方も学べる。親としても女子チームができてよかった」。
選手の大半は「高校でも野球を続けたい」。ただ、連盟によれば県内の高校には女子の軟式野球部はなく、硬式のある高校も横浜隼人のみ。県外の高校をめざす選手もいる。(三木一哉)