【MLBポストシーズン2017】リーグチャンピオンシップシリーズ展望@ナ・リーグ編 ア・リーグの「ヒューストン・アス…
【MLBポストシーズン2017】リーグチャンピオンシップシリーズ展望@ナ・リーグ編
ア・リーグの「ヒューストン・アストロズvs.ニューヨーク・ヤンキース」に続き、ナ・リーグのリーグチャンピオンシップシリーズ「ロサンゼルス・ドジャースvs.シカゴ・カブス」もついに幕を開けます。
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初のワールドシリーズ進出を目指すダルビッシュ有
メジャー最多の104勝をマークして西地区を制したドジャースは、ディビジョンシリーズでワイルドカードから勝ち上がった西地区2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスに3連勝。ひとつも負けを喫することなく、2年連続でリーグチャンピオンシップシリーズに駒を進めました。今季レギュラーシーズンで8勝11敗と負け越していた相手だけに、苦手を克服してのナ・リーグ頂上決戦進出です。
対する中地区1位のカブスは東地区1位のワシントン・ナショナルズと対戦し、第5戦までもつれ込みましたが、最後は3勝2敗でディビションシリーズを制しました。近年強豪チームとなったカブスは3年連続でのリーグチャンピオンシップシリーズ進出です。
ポストシーズンでの「ドジャースvs.カブス」は、昨年に続いてこのリーグチャンピオンシップシリーズでの対戦となります。昨年は4勝2敗でカブスがドジャースを下してワールドシリーズに進み、最後は108年ぶりの世界一に輝きました。カブスはこのドジャース戦に勝利して弾みをつけた印象でした。
一方のドジャースは毎年のようにプレーオフに進出しながら、またもワールドシリーズに届かず涙を飲みました。よって、今年の見どころは「ドジャースが雪辱を果たすことができるか」に尽きるでしょう。そのためにも、ドジャースはこのシリーズで昨年との違いを見せつけなければなりません。
昨年のドジャースにはなくて、今年あるもの――。それは、ダルビッシュ有投手です。レギュラーシーズン終盤からの好調を維持し、先発したディビジョンシリーズ第3戦では6回途中まで投げて2安打1失点。しかも7個の三振を奪って無四球と、堂々たるピッチングを披露しました。
第3戦でのダルビッシュ投手のピッチングで特筆すべきは、外野に飛んだ打球が打たれたホームラン1本を含めて2本しかなかった点でしょう。それほどダルビッシュ投手が投げる球の威力はすさまじく、その剛腕で相手バッターを完璧にねじ伏せたのです。
カブスとの今シリーズ、ダルビッシュ投手は第3戦に先発することが発表されました。なぜ敵地シカゴでの第3戦に先発させるかというと、カブスの本拠地リグレーフィールドはバッター有利な球場だからです。
外野が非常に狭くてホームランが出やすく、さらにシカゴ特有の強風によって平凡な外野フライがスタンドに入る怖さもあります。それほど危険な球場だけに、ピッチャーはいかに相手のパワーに負けないかが重要となるでしょう。ディビジョンシリーズ第3戦でほとんど外野に打球を飛ばせなかったダルビッシュ投手は、まさにこの球場にうってつけだと思います。
そしてドジャースでもうひとり、勝敗のカギを握っているのは前田健太投手です。昨年のリーグチャンピオンシップシリーズにも登板した前田投手は、2試合に先発して合計7イニング3分2を投げて4失点という内容でした。防御率4.70と決していいピッチングではなく、早々にマウンドを降りています。
しかし、今年はリリーフとしてリーグチャンピオンシップシリーズに臨みます。これも、ドジャースが昨年との違いを見せつけられる点でしょう。
ディビジョンシリーズでの好投で、前田投手の評価は一気に高まりました。第2戦は5回途中に3番手として登板し、ダイヤモンドバックスの2番から4番までの中軸を三者凡退。2個の三振を奪って勝利投手となりました。さらに第3戦では3-1とリードした8回に登板し、またも三者凡退。相手を完璧に打ち取り、クローザーのケンリー・ジャンセンにつなげる見事なセットアッパーぶりを披露しました。
リーグチャンピオンシップシリーズは7戦制の長期戦となるので、前田投手は「スーパーリリーバー」としての役割も期待できると思います。スーパーリリーバーとは、昨年クリーブランド・インディアンスでフル回転の活躍を見せたアンドリュー・ミラーのような存在です。
先発ピッチャーがゲーム序盤で降板したときにはロングリリーフとして、そして8回に声がかかればクローザーにつなげるセットアッパーとして、さらには右バッターに対するワンポイントとして、前田投手はさまざまなシチュエーションで起用されるのではないでしょうか。デーブ・ロバーツ監督にとってはブルペンに欠かせないピッチャーだと思います。
そこで見どころとなるのは、カブス打線の中軸を担うクリス・ブライアントとの対決でしょう。昨年のナ・リーグMVPに輝いた右の強打者は、3番のアンソニー・リゾとともにカブスの得点源です。ドジャースが勝つためには、ブライアントを抑えてリゾにつながる打線を寸断することが大事だと思います。今季の前田投手は右バッターに対して被安打.214と好成績を残しているので、ブライアント相手にどんな勝負を見せてくれるのか楽しみです。
一方、カブスはディビジョンシリーズ第5戦を9-8でナショナルズを下しました。ただ、その内容はクローザーのウェイド・デービスが7回ツーアウトから登板し、そのまま最後まで投げきっての薄氷の勝利でした。このような試合を見るかぎり、やはりカブスの問題はリリーフ陣の駒不足にあると思います。リリーフ陣はいずれも制球難に苦しみ、第5戦では6回以降にフォアボールで出した6人のうち、実に半数の3人をホームに返していました。
また、今シリーズでは8回のイニングにも注目です。レギュラーシーズンでカブスは8回にメジャーで4番目に多い計99失点を喫しています。ディビジョンシリーズでも8回に計5試合で10失点。カブスにとっては「魔の8回」なのです。
このような状況を考えると、やはり上原浩治投手の存在の大きさを改めて感じます。上原投手は大舞台の経験が豊富ですし、コントロールも抜群で、フォアボールを出して乱れるということがありません。制球力がいいので球数を抑えることができ、イニングをまたいで投げ続けることもできます。
はたして、上原投手はリーグチャンピオンシップシリーズで登板できるのでしょうか。その点も勝負を分けるポイントとなるかもしれません。