増田陸は勝負強い打撃が光る(C)産経新聞社 人を育てるには時間がかかり、忍耐が必要になる。 ビジネスの世界の鉄則ですが、…

増田陸は勝負強い打撃が光る(C)産経新聞社
人を育てるには時間がかかり、忍耐が必要になる。
ビジネスの世界の鉄則ですが、もちろんプロ野球の世界にも当てはまる話です。
巨人の高卒7年目、増田陸内野手がついにブレイクしました。茨城の強豪・明秀学園日立では1年秋からショートのレギュラーとして定着し、3年春にはセンバツ甲子園大会に出場。高校通算34発の強打者に対して、巨人は2018年のドラフト2位で指名しました。高い将来性への期待が、順位からうかがえます。
しかし、プロ入り後はケガに苦しみました。ルーキーイヤーは左手首を痛め、有鈎骨骨折と三角線維軟骨複合体損傷の手術を受け、リハビリで終わりました。2021年オフには育成選手として再契約の屈辱も味わいますが、翌年の開幕前には再び支配下に。2023年シーズンでは試合中に左肘を負傷し、左肘内側側副じん帯損傷・浅指屈筋損傷で離脱を余儀なくされるなど、なかなか思い通りにいかないプロ生活だったのです。
そして今季、その才能は大きく開花。不動の4番・岡本和真内野手の戦線離脱というチームにとって緊急事態の中、思い切りのいいプレーで首脳陣の信頼を勝ち取り、1番打者の大役を担うなど、規定打席には達していないものの、打率.297(2日現在)と堂々の数字を残しているのです。
スポーツ紙のデスクは言います。
「増田陸選手は、坂本勇人選手と歩みが似ていることでも知られています。同じ右打ちのショート。坂本は兵庫、増田陸は大阪ですが、同じ関西から中学卒業と同時に親元を離れ、名将・金沢成奉監督のもとで青春時代を過ごしたことも共通項です。プロ入り後、結果が出なくても戦力外通告されることなく、チャンスを勝ち取れたのは、増田陸の練習に対する真摯な姿勢を首脳陣の誰もが認めていたから。熱き期待をもって見守ってきたからです。彼の一軍での奮闘は、ファームで東京ドームを夢見る若手にとっても、大きな刺激になっているのです」
確かに岡本選手の戦線離脱は痛いですが、このような若手の台頭はG党にとっても歓迎すべき事象。このまま不動のレギュラーになることを、願わずにはいられません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】巨人24歳新リードオフマンは「絶対チームに必要」チャンスに打てず奮起 やり返しの姿勢が話題「まさに不屈の男」