南アルプスの山岳地帯を自転車で駆け抜ける「南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120~普段走れない山岳秘境ライ…

 南アルプスの山岳地帯を自転車で駆け抜ける「南アルプスサイクルアドベンチャーロングライド120~普段走れない山岳秘境ライド~」が11月3日に開催されることが決まり、参加者の募集が始まった。イベント限定で走行できる区間もある。主催する「やまなしスポーツエンジン」と山梨県は、「より多くの人に関心を持ってもらい、挑んでほしい」と呼びかけている。

 やまなしスポーツエンジンは、「スポーツで稼げる県」の実現に取り組む山梨県の地域スポーツコミッションで、2022年4月に発足。自転車を活用した地域振興を目指すサイクルイベントは、同年10月に県営林道南アルプス線で試験的に行って以降、毎年催してきた。

 今回のコースは走行距離約120キロ。5市町にまたがり、昨年までのスケールを大きく上回る。発着点は道の駅富士川(富士川町)。参加者は午前6時半以降、10~15人ずつのグループに分かれ、ガイドとともに順次スタートする。

 富士川町から南アルプス市に入り、美しい景観とスリルが味わえるループ橋「桃花橋(とうかきょう)」を経て、夜叉神(やしゃじん)ゲートへ。そこから夜叉神トンネルを通ってコース最高地点の広河原山荘前(標高1524メートル)まで、標高差1千メートル超を一気に駆け上がる。

 山荘前を通過して南下、奈良田湖や温泉のある早川町や、人気漫画「ゆるキャン△」の舞台「本栖高校」(旧下部小中学校)のある身延町、印章資料館などのある市川三郷町を巡って、富士川町に戻り、ゴールとなる。

 全長1148メートルの夜叉神トンネルを含む県営林道南アルプス線や、広河原―奈良田間の県道南アルプス公園線は、環境保全などの理由から通常、マイカーや自転車は通行できない。

 やまなしスポーツエンジン事務局の村松達也課長は「夜叉神トンネルや出口付近の絶景ポイントなど、今回に限って走れるコースやスポットも多い特別なイベント。速さを競うレースとは違い、各自のペースで安全に走り、山梨の魅力を体感してほしい」と話す。

 当日、コース上には九つの「エイドステーション」が設けられ、地元の特産品やスイーツなどが提供される。参加者は、地元の「食」も楽しむことができる。

 募集人数は300人。高校生以上で、高低差のある100キロ以上のコースを連続で走行できることが参加の条件となる。参加料は1万5千円(割引券500円つき)。申し込みはイベントのホームページ(https://cycle-adventure.com/)から。10月7日まで受け付ける。(杉山圭子)