健康志向が高まる中、スーパーやネットでも『体にやさしい油』が数多く並ぶようになりました。でも、選び方を間違えると、かえっ…

健康志向が高まる中、スーパーやネットでも『体にやさしい油』が数多く並ぶようになりました。でも、選び方を間違えると、かえって体に負担をかけてしまうことも。

「体にいい油って、実際どれを選べばいいの?」
「オリーブオイルやアマニ油、どう使うのが正解?」

今回は、栄養士の神原李奈先生に、日常生活で役立つ油の選び方や使い方の工夫、気をつけたいポイントを教えていただきました。

少し見直すだけで、便通サポートや肌トラブルの予防にもつながるかもしれません。

「体にいい油」ってどんな油? カギは“脂肪酸の種類”

油は大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。

このうち「不飽和脂肪酸」は、体内のバランスを整える働きがあるとされており、コレステロールや血圧が気になる方の間でも注目されています。

飽和脂肪酸って体に悪いの?

肉やバター、ラードなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」は、過剰に摂取すると悪玉コレステロールが増えやすいと言われています。

とはいえ、日本人の平均的な食事量であれば、極端に避ける必要はないと考えられています。大切なのはバランスです。

栄養士おすすめ1「オリーブオイル」

ここからは、注目の2つの油「オリーブオイル」と「アマニ油」について、それぞれの特長とおすすめの使い方をご紹介します。

オリーブオイルは毎日の食事に取り入れやすい定番オイル

オレイン酸を多く含むオリーブオイルは、さまざまな健康維持に役立つ成分が含まれています。

● おすすめポイント便通をサポート抗酸化成分(ポリフェノール・ビタミンE)による美容サポート血行促進作用で冷えのケアにも

オリーブオイルには、食後血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるという研究報告もあります。食事の満足感を高めつつ、食べ過ぎを防ぎやすいのも嬉しいポイント。

● 加熱もOK! 調理の幅が広がる

オリーブオイルは、加熱しても栄養が大きく損なわれにくく、炒め物やスープなどにも使えます。

● エクストラバージンを選ぶのがコツ

「エクストラバージンオリーブオイル」は、ポリフェノールやビタミンEが豊富です。

オリーブオイルは太る?痩せる?効果と使い方をダイエット目線でまとめてみた

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次:もう一つのオススメは?

栄養士おすすめ2「亜麻仁油(アマニ油)」

アマニ油は熱に弱いけれど、栄養価はピカイチ

アマニ油には、オメガ3脂肪酸である「α-リノレン酸」が豊富に含まれています。日々の健康をサポートしたい方や、食生活を整えたい方に人気のオイルです。

● おすすめポイント食事バランスの見直しに健康を意識した食生活に取り入れやすい中性脂肪や血圧が気になる方の間でも注目されている

アマニ油も、中性脂肪の管理をサポートするとされており、ダイエット中や脂質バランスを意識したいときに取り入れられています。

● 加熱は避けて、『生』で使うのがポイント

アマニ油は熱に弱く、加熱することで栄養が壊れたり、体調に影響を与えることも。そのため、サラダやマリネ、ヨーグルトなどにそのままかけて使うのがおすすめです。

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体にいい油でもココに注意! “量”と“酸化”

1. 油の摂りすぎに注意

いくら『いい油』でも、脂質であることに変わりはありません。1gあたり9kcalと高エネルギーのため、過剰摂取は肥満につながる可能性があります。

● 1日の摂取目安は?

総エネルギーの約20〜30%が脂質の目標量。たとえば1日2000kcalを摂取しているなら、脂質はおおよそ44〜67g(食材に含まれる脂も含む)を目安に。

2. 酸化した油は避けよう

古くなった油や光・熱にさらされた油は、体に負担をかけることがあります。以下のような状態になったら、交換のタイミングです。

油の匂いが気になる粘度が増している色が濃くなっている細かい泡が消えない● 酸化を防ぐ保存のコツ直射日光や蛍光灯を避ける冷暗所で保管する開封後は1〜2ヶ月以内に使い切るキャップをしっかり閉める

管理栄養士に聞いた「老ける食べ物」とは。残念ながら、みんな大好きな“アレ”は危険…

油は「太るから避けるもの」ではなく、選び方と使い方を工夫すれば、健康をサポートする強い味方になります。

まずは、炒め物をオリーブオイルに変えてみる。朝食のヨーグルトにアマニ油をひとさじ加えてみる。そんな小さな変化が、日々の体調や食習慣を整える第一歩になるかもしれません。

監修者プロフィール

神原李奈

管理栄養士神原 李奈株式会社Luce・健康検定協会所属、管理栄養士・食育栄養インストラクター。CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。