3歳世代の頂点を決める競馬のGI第92回日本ダービーは1日、東京競馬場の芝左2400メートルに牡馬(ぼば)18頭が出走…
3歳世代の頂点を決める競馬のGI第92回日本ダービーは1日、東京競馬場の芝左2400メートルに牡馬(ぼば)18頭が出走して行われ、1番人気のクロワデュノール(栗東・斉藤崇史厩舎(きゅうしゃ))が2分23秒7で制した。2022年生まれのサラブレッドで出走資格がある7950頭の頂点に立った。昨年12月のホープフルステークスに続く、2度目のGI勝利。北村友一騎手、斉藤調教師はともに、日本ダービー初制覇となった。
ゴールを駆け抜けた馬上で、北村友一は何度も相棒を指さした。「僕がダービージョッキーになったことより、クロワデュノールがダービー馬になれたことが何よりうれしい。最高のエスコートができた」
序盤から3、4番手で追走し、最後の直線では残り400メートルを切ったところで早くも先頭に立った。
圧倒的な支持を集めた皐月賞でも先に抜け出した。だが、後続に差されて初黒星を喫した。
あのときとは、馬体の仕上がりがまるで違った。北村友には自信があった。「僕の思いは1点、信じるということ」。思いに応えたクロワデュノールのスパートには最後まで勢いがあった。
「ここに至るまでの過程全てに意味がある」。38歳は優勝インタビューで万感の思いを口にした。2021年、レース中の落馬事故で背中や腰など11カ所の骨が折れた。実戦に復帰するまで1年以上を要する大けがだった。
仏語で「北十字星」を意味するクロワデュノールと出会い、昨年12月には4年ぶりのGI勝利を挙げた。そしてこの日は日本競馬の最高峰に位置するダービーを3回目の挑戦で制し、完全復活を印象づけた。
「正直ここまでの(強い)馬を経験したことがない。伸び代をすごく感じている」と北村友。かけがえのないパートナーとの、さらなる飛躍を誓った。(松本龍三郎)