昨年のパリ・パラリンピック車いすラグビーで初の金メダルに輝いた日本代表の橋本勝也選手(23)=福島県三春町出身=を招い…

 昨年のパリ・パラリンピック車いすラグビーで初の金メダルに輝いた日本代表の橋本勝也選手(23)=福島県三春町出身=を招いての講演とパラスポーツ体験会が31日、山形市の山形大医学部であった。橋本選手は「チャレンジする気持ちを忘れず、目標を立てて毎日を過ごしてほしい」と呼びかけた。

 橋本選手は生まれつき手の指が2本ずつしかないなど手足に障害がありスポーツが得意ではなかったが、中学2年で車いすラグビーを体験し、「この競技だったら一生続けられるかも」とのめり込んでいったという。

 銅メダルを獲得した2021年の東京パラリンピックには最年少の代表選手として出場したが、チームに貢献できなかった悔しさから、同じ三春町出身のパラスポーツトレーナー、野村潤さん(41)に指導を請い、厳しい練習を重ねてきた。

 24年のパリ大会では、日本代表の中心選手として大活躍し金メダル獲得の立役者となった。

 橋本選手は「スポーツでもそれ以外でも、大切なのは何ごとも行動を起こしてみること。成果はすぐに出ないかもしれないけれど、やったことは無駄じゃなかったと思える日が来る」と話した。

 野村さんは「引っ込み思案だった勝也は今、みんなに応援される選手に成長した。継続することが結果につながる」と語った。

 車いすラグビーや車いすバスケットボールなどのパラスポーツの普及をめざし同大医学部整形外科学講座が主催。車いす利用者ら約50人が参加した。その後のパラスポーツ体験会では、車いすを自在に操作する技や大迫力のタックルを披露し、参加者の歓声を誘った。(斎藤徹)