◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 3日目(31日)◇JFE瀬戸内海GC (岡山)◇7461yd(パー72)◇晴…
◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 3日目(31日)◇JFE瀬戸内海GC (岡山)◇7461yd(パー72)◇晴れ(観衆2014人)
住まいのある米国ラスベガスでも、ミドルネームの「グレッグ」を使うことはほとんどない。「シンタロウだとちょっと難しいときがあるから“シン”で」。京都出身の父と台湾人の母を両親に持つ29歳の伴真太郎(ばん・しんたろう)は英語、中国語、そして日本語も頑張るトリリンガル。日本ツアーに参戦してから、もう3年目になった。
カリフォルニア州のサンノゼで生まれ、競泳で鍛えた肉体も武器にしてジュニア時代から注目された。ネバダ大ラスベガス校で腕を磨き、兄の翔太郎もプロゴルファー。二男でも「真“太郎”」なのは、「父が次郎(二郎)とつけるのはイヤだった」のが理由らしい。
1つ年下のメジャー通算2勝、コリン・モリカワとは長らく親交が深い。18年にはアマチュアとして「全米オープン」にも出場。米国代表として大学選抜の対抗戦「アーノルド・パーマーカップ」のメンバーに名を連ねた経験もある。プロ転向後はPGAツアーの下部であるカナダ、ラテンアメリカのツアーでプレーし、予選会を通じて23年からルーツのある日本のツアーを職場にした。
初年度の賞金ランキングは81位、2年目の昨季は80位とシード獲得にあと一歩が届かないシーズンが続いている。「子どもの頃に3、4回来たことを覚えている。祖父母は滋賀に住んでいます。日本食も好きで納豆もよく食べてきた」という日本での遠征生活は快適そのもの。飛躍の瞬間をうかがう環境をじっくり整えてきた。
シーズン3試合目でチャンス到来。単独首位から出たムービングデーは後半17番でティショットミスからダブルボギー、最終18番(パー5)も2mのパットを決めきれずボギーをたたいた。「75」でも通算8アンダーの7位に踏みとどまれたのは、強風のコンディションならでは。「最終組でプレーするのは初めての経験。風も強く、グリーンもどんどん硬くなった。きょうの3オーバーはそこまで悪くない」と前向きに振り返る。
プロとしての初タイトルはもちろん、上位3人(有資格者=今平周吾を除く)に付与される7月17日開幕の海外メジャー「全英オープン」(北アイルランド・ロイヤルポートラッシュGC)の出場権獲得もターゲット。「まだチャンスはある。ゴルフは他の選手のプレーはコントロールできない。とにかく自分のプレーをやり切りたい」。メジャーの会場には会いたい人がたくさんいる。(岡山県笠岡市/桂川洋一)