自慢の打棒が鳴りを潜め、存在感も薄れているソト。(C)Getty Images 本拠地で巻き起こったブーイングが26歳の…

自慢の打棒が鳴りを潜め、存在感も薄れているソト。(C)Getty Images
本拠地で巻き起こったブーイングが26歳の怪物打者の現況を物語っていた。
現地時間5月29日、本拠地ニューヨークでのホワイトソックス戦に臨んだメッツのフアン・ソトは4打数無安打に終わり、贔屓ファンからため息交じりのブーイングを浴びた。
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熱心なメッツファンですら野次を浴びせるのは、他でもないソトの不振が原因だ。今オフに大谷翔平(ドジャース)を抜き、メッツと史上最高額となる15年総額7億6500万ドル(約1147億円=当時のレート)の“超”巨額契約を結んだ26歳だったが、開幕後から低調なパフォーマンスに終始。直近7試合では打率.074、0本塁打、長打率.111という貧打ぶりで、大枚に見合う価値を示せずにいる。
スランプを脱する兆しもなく、一部メディアやファンの間で「不良債権」の烙印が押されてもいるソト。もっとも、プレッシャーの大きさに理解を示すレジェンドからは、周囲に冷静さを求める声も上がっている。
MLB通算541本塁打を誇る、米野球殿堂入りの大打者であるデビッド・オルティス氏は、母国ドミニカ共和国のラジオ番組『El Mananero』において「いったい誰が彼を『第二のバリー・ボンズだ』と言ったんだ?」と力説。2001年に歴代最高となる年間73本塁打を放ったボンズ氏の名を切り出し、ソトの心情を慮った。
「誰もがフアン・ソトがバリー・ボンズのようなことをするために契約金を払われたと思っている。そうじゃない。ソトはいつも通りのことをするために契約したんだ。30本塁打、90~100打点、打率.280~.290、そして素晴らしい出塁率を記録することだ」
さらに「彼は決してバリー・ボンズではない」と強調するオルティス氏は、「ソトは完璧なタイミングでFAとなり、完璧な契約をした。これは単に運ではなく、戦略と実績によるものだ」と断言。当人と周囲の契約戦略を評した上で、こう続けている。
「あの巨額契約が、彼の選手としての価値を誤解させている。しかし、メッツのオーナーは『彼は他球団でより低い金額でプレーしない限り、私のチームでプレーする』と言った。これだけで勝負は決まっていた。
そして、俺たちが話しているのは、世界最高の選手でも、最も完成度の高い選手に関することでもない。シーズンが終わればいつも通りの成績を残す、非常に優秀な選手のことを言っているんだ。シーズンは長いんだ。彼はいつも通り、必ずそれに応えてくれるはずさ」
開幕2か月で強まる一方の批判をいかに吹き飛ばしていくのか。不振を極めるソトのパフォーマンスから目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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