アマチュア時代から日本ゴルフ界を彩ってきた宮里優作には今、大切にしている日課がある。 多くは週の後半から、月曜日にかけ…

 アマチュア時代から日本ゴルフ界を彩ってきた宮里優作には今、大切にしている日課がある。

 多くは週の後半から、月曜日にかけて。早朝、起きたらすぐにスマートフォンで海外ツアーの試合結果を確認する。目に留まった日本選手がいれば、インスタグラムのストーリーズに祝福や健闘をたたえるコメントをつけて投稿している。

 「もっとみんなに見てほしい。『すごいことだぜ?』っていうのをちょっとでも知ってほしいんです」

 フォロワー数4.2万人の44歳は、そんな後輩選手たちのアカウントを紹介することも忘れない。

 ジュニア時代から数々のタイトルを手にし、2017年に賞金王を獲得。全員がプロゴルファーの「宮里3兄弟」の次男として注目を集めた。妹は、世界ランク元1位の「藍ちゃん」こと宮里藍さんだ。

 プロ転向から22年目のシーズンとなった昨年は、「引退を一瞬考えた」という出来事があった。

 1月に左ひざに痛みを感じ、歩くこともできなかった。診断は半月板断裂。1カ月以上、クラブを握れなかった。

 「お先真っ暗。もう、職業が何か分かんなくなっていました」

 朝の日課は増え、元々は月曜日だけだった長女の弁当づくりを連日担当するように。やはり、海外ツアーのチェックは欠かさなかった。

 自身がプレーできない中、若手の活躍をアピールすることは苦しくなかったのか。

 「もう全然全然。逆にどんどん行ってほしい。日本人選手のレベルの高さを証明してほしいから『頑張ってほしい』しかなかった」

 過去の経験が、思いを一層膨らませた。18、19年は欧州ツアーに挑戦したが、トップ10の壁を越えられなかった。海外のレベルの高さを肌で感じたからこそ、ここ数年、20代の日本選手が海外で優勝することの大きさが分かる。

 後進を思う姿勢は、ラウンド中にもにじむ。

 30日のミズノ・オープン2日目は、同組で同じ東北福祉大出身の米沢蓮と競うようにスコアを伸ばした。良いプレーが出れば、ギャラリーよりも大きな声で「ナイス!」とたたえた。

 一方で、プロとしての闘争心も顔を出す。

 「寄せられないと思うところを寄せられると、(相手が)技術で上だなと。でも、人のゴルフをうらやましがっても仕方ない」

 「いいなと思わないようにして、やれることを一生懸命やるのが目標」

 引退がよぎった頃から、およそ1年半。日本選手の活躍とともにモチベーションを刺激したのは、けがや交通事故にも負けないタイガー・ウッズ(米)の存在だ。「歩けるなら、けがのうちに入んないよくらいでやっています」

 今季は5月の中日クラウンズは2位でフィニッシュ。開催中のミズノ・オープンは4位で決勝ラウンドに進んだ。「ずっと苦手だった」というコースで好成績が続き、これまで以上の手応えを感じている。

 上位3人に入れば7月にある海外メジャー大会の一つ、全英オープンの出場権が与えられる。「もう1回、出てみたいな」。スマホ越しに見るだけでは、終わりたくない。(平田瑛美)