2025年5月28日、浦和レッズ対セレッソ大阪の試合が埼玉スタジアム2002でおこなわれた。試合は0-0の引き分けに終…
2025年5月28日、浦和レッズ対セレッソ大阪の試合が埼玉スタジアム2002でおこなわれた。試合は0-0の引き分けに終わった。両チームともに「4-2-3-1」のフォーメーションで、中盤は三角形を組んできた。
■「多くなった」ゴール前の選択肢
強行日程の中の浦和は、前節の名古屋グランパス戦から5人のメンバーを入れ替えてきた。サイドバック(以後、SB)に石原広教、センターバック(以後、CB)にダニーロ・ボザ、ボランチに安居海渡、ウイング(以後、WG)に金子拓郎、トップ下に渡邊凌磨を置く。
一方のC大阪は、前節のアビスパ福岡戦から3名を新たに起用した。久々の出場となったSB登里享平、WGにチアゴ・アンドラーデ、トップ下には柴山昌也が出場した。
なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見て、プレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=UJb_Jm68acM&t=5s
【6分のマテウス・サヴィオのシュートの場面】
ワントップの松尾佑介がバイタル手前までドリブルで持ち込んでから、左サイドにいたマテウス・サヴィオにパスを出す。ボールをもらったサヴィオはペナルティエリアに入ってきてシュートを打つが、ゴールキーパー(以後、GK)福井光輝の正面をついた。
試合開始してすぐだったので、C大阪のディフェンス陣はボールホルダーに食いつかずに、ラインをしっかり整えて守備に回っている。CBの西尾隆矢が、松尾に前からプレスに行ってもよかったシーンだったが、SB長沼洋一がインナーラップしてきて西尾の背後に入ってきたので、西尾は松尾にプレスにいかずに、裏のスペースを取られないようにバックステップからサイドステップに変えて、うまい具合に守っていた。
松尾からすれば、パスコースの選択が4つはあった。左のサヴィオ、中に入ってきた長沼、バイタルにいる渡邊、右の金子。いずれの選手もフリーのポジションだった。そんな中での松尾は、信頼度の高いサヴィオを選んだ。この選択は間違いではないのだが、ゴールに一番近い渡邊にパスを出しても面白い展開になったかもしれない。
ただ、ゴール前でパスコースの選択が多くなった点は、裏の攻撃パターンがしっかりしてきたことの証になっている。
■「難しい」コミュニケーション
【11分のラファエル・ハットンのヘディングシュートの場面】
C大阪の右サイドにパスが渡される。フリーでボールを受けたルーカス・フェルナンデスが、浦和の2人のCBの間にボールを蹴り込む。ソーンで守っている浦和のディフェンス陣にとっては難しい対応になる。
ここでの問題は、右SBの長沼がフリーのルーカスにプレスに行くのか、それともサヴィオがもっと早く降りてきて、プレスに行くのかである。
クロスを上げられた後のサヴィオが、両手を広げている仕草から見ると、「長沼がなぜプレスにこないのか、俺が行くのか」というアピールにも映る。
本来ならば、ルーカスのマークはサヴィオなので、長沼がコーチングしてサヴィオを戻らせないとならない。しかし、サヴィオは長沼がサイドにズレて、ルーカスをマークすると思ったのだろう。日本人と外国人がいるチームのディフェンス陣にはよくあることなのだが、日本人と外国人のコミュニケーションの難しさからくる「すれ違い」や「行き違い」なのだろう。
この場面は、浦和の守備のポイントになっている。ルーカスにフリーでクロスを上げさせてはならない。そのためにも、まず浦和のディフェンスラインはボールサイドにスライドしていないとならない。さらに、サヴィオに早く降りてくるようにコーチングしないといけない。そして、長沼がルーカスの前に立って激しく体を寄せていく。サヴィオも追従してプレスにいく。ルーカスに横パスやバックパスを出させるように仕向ける。
マリウス・ホイブラーテンやボザのディフェンス陣は、「クロスを上げられても最後でやられなければいい」という考えがあって、ボールサイドにスライドしなかったのだろうが。
記事後半では、14分の安居海渡のシュートの場面から見ていこう。