レッドブルの重鎮であるマルコ博士は、角田の現状をどう見ているのか。(C)Getty Images レッドブルの角田裕毅の…

レッドブルの重鎮であるマルコ博士は、角田の現状をどう見ているのか。(C)Getty Images
レッドブルの角田裕毅の真価が問われている。
F1第8戦モナコGPで、予選ではQ3進出を果せず、決勝も上位集団との差を開かれて17位と低迷。これで3月27日の緊急昇格からの6戦中3レースでポイント喪失し、結果を重んじる“実力主義”のチームにあって立場が危ぶみ始めている。
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昇格当初の懸念点であった操作困難とされるマシン「RB21」への適性という点も一定の試用期間が過ぎた感は否めない。ゆえにいまだ安定感に欠ける角田への風当たりは強まる一方である。
苦戦が続く日本人ドライバーには、首脳陣も厳しい注文をつける。レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮ヘルムート・マルコ氏は、ドイツの放送局『Sport』において「我々がセットアップを変更する理由はいくつかある」と語った上で、「ユウキの場合は大きな変化を加えると、1秒は後退してしまう。一方でマックスは慣れるのに時間を必要としない。マシンの反応が全く違っても、1、2周もあれば、すぐに慣れてしまう」と強調。絶対的エースとセカンドドライバーの“差”を論じた。
「ユウキはフェルスタッペンとコンマ1秒差の時もある。ただ、我々が行ったような大幅な変更を加えると、他のドライバーと同様に時間を必要としてしまう。そのために彼は突然、大きな遅れを取ってしまう」
また、マルコ氏は、姉妹チームのレーシングブルズにいる弱冠二十歳の俊英アイザック・ハジャーが、声価を高めている現状にも言及。「毎年、ドライバーについてはサマーブレイクで議論する。今はまだ早すぎる」と将来的に考えられうる角田とのシート交代には触れなかったものの、こう持論を続けている。
「ハジャーは我々にとって大きなサプライズの一つだ。メルボルンでのミスを除けば、彼は毎回Q3に進出し、ポイント圏内に入っている。華々しくもないが、信じられないほど速い。もっと練習すれば、優勝候補になれるのは明らかだ」
編成の難しさを説きながら、サマーブレイク後のドライバー交代の可能性を排除しなかったマルコ氏。そうした重鎮の“意向”を考慮しても、厳しいレースが続く角田にとって、ここからの戦いは間違いなくレッドブル生き残りを懸けた正念場となる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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