「上海ロレックス・マスターズ」(10月8日~10月15日/中国・上海/ハードコート)では、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は10月13日、準々決勝で、ビクトル・トロイツキ(セルビア)と対戦して競り勝ち、準決勝への進出を決めた…

「上海ロレックス・マスターズ」(10月8日~10月15日/中国・上海/ハードコート)では、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は10月13日、準々決勝で、ビクトル・トロイツキ(セルビア)と対戦して競り勝ち、準決勝への進出を決めた。カウントは、4-6、6-1、6-4、試合時間は2時間1分だった。

デル ポトロは、現在、世界ランキング23位で、今大会は第16シードの位置につけており、実績も豊富なだけに、上位の進出に期待されていた。対するトロイツキはランキングは54位ながら、過去には上位につけていたこともあり、決して侮れない選手だ。両者とも体格に恵まれており、お互いに相手をどのような形で上回るか注目だ。◇   ◇   ◇

デル ポトロは第1セットの第1ゲームを、難なくキープし、安定した滑り出し。得意のフラット系のフォアを左右に振り回すなど、フォアを武器にする姿勢を見せたが、トロイツキは第2ゲームのサービスゲームを、キープし均衡の取れた序盤となった。

しかし、3-3で迎えた第7ゲームで、トロイツキがバックハンドの鋭いダウンザラインのウィナーを放つなど攻め込みブレーク。そのまま、トロイツキが第1セットを獲得した。トロイツキは要所で見せる、サーブ&ボレーで有効にポイントを積み重ね、デル ポトロの速度も球威もあるフォアに苦しみながらも、大きくリードした格好だ。

第2セットに入ると、デル ポトロは、前セットを落としたことに気落ちする様子はなく、1ゲーム目をあっさりキープ。しかも、続く第2ゲームには、ラリーから優位を譲らず、フォアのウィナーを繰り出し、ブレイク。さらに、次のサービスゲームを軽くキープし、ゲームカウント3-0と大きくリードした。第6ゲームで2度目のブレークをものにして、第2セットでは圧倒的な優位に立つと、デル ポトロがそのまま押し切り、1-1のタイに戻した格好となった。

ファイナルセットは、お互いにキープを2回繰り返した2-2で迎えた第5ゲームの15-15からの、第3ポイントでデル ポトロが、コート面に足をひっかけ転倒。左手をついてしまい、痛がる場面が見られるなど、一瞬ひやっとする場面もあった。結局、デルポトロは、フォアのダウンザラインなどを有効に使い、ブレークを達成した。一方で、左手をいためたせいか、その後、デル ポトロは両手のバックハンドストロークを打てず、片手バックハンドのスライスストロークしかほぼ打てず、苦しい形に。

しかし、デル ポトロは、得意のフォアの強打とサーブで押し込み、1ブレークアップを守りきり、勝利を手にした。この勝利でデル ポトロはトップ20入りをほぼ確実にした格好だ。(テニスデイリー編集部)

※写真は片手でのバックハンドスライスを放つフアン マルティン・デル ポトロ

(Photo by Lintao Zhang/Getty Images)