「上海ロレックス・マスターズ」(10月8日~10月15日/中国・上海/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第6シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦。6‐4、6‐7(4)、6‐…

「上海ロレックス・マスターズ」(10月8日~10月15日/中国・上海/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第6シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦。6‐4、6‐7(4)、6‐3のフルセットでナダルが勝利し、準決勝進出を決めた。試合時間は2時間32分だった

両者は過去の対戦成績は、ナダルの9勝1敗。今年は「チャイナオープン」と「全豪オープン」のどちらも準決勝で対戦しており、ナダルが2試合とも勝利を収めている。ナダルは先月開催された「全米オープン」で3回目の優勝を飾ると、直前の「チャイナ・オープン」でも優勝しキャリア通算75個目のタイトルを獲得している。

王者ナダルとATPランキング9位のディミトロフの試合は、両者が厳しいコースを狙う華やかなストローク戦となり、素晴らしいラリーが何度も続いた。お互いにチャンスがあればネットプレーに走り、どちらかがポイントを決めるごとに観客が歓声を上げるような白熱した試合に。ディミトロフもスーパープレーを連発するが、ナダルがその流れを完全に潰していった。前半はディミトロフの素晴らしいプレーが幾度となくある中、ナダルがさらにその上を行き、試合の主導権を握った。しかし第2セットからは、ディミトロフが耐久力を武器にナダルを苦しめ、試合はどちらに転んでもおかしくない展開に。最終セットでは、王者ナダルがプレッシャーのあるポイントを落とさずにポイントし続け、精神力の差で勝利を掴み取った。◇   ◇   ◇

第1セット、強力なショットが続くラリー戦となった。少しでも甘い球を打つと一気に攻め込まれるような緊張感のあるラリーが続いた。序盤は拮抗したラリーをしていたが、王者ナダルはだんだんとギアを上げてきた。しかしディミトロフも鋭いコースで食い下がり、両者一歩も譲らないまま迎えた第9ゲーム、ネットに出てきたディミトロフを連続で逆コースを突き、ナダルにブレークチャンスが訪れる。ディミトロフも懸命に食い下がりデュースまでは挽回したものの、ナダルは多彩なプレーでディミトロフの動きを完全にコントロールし、そのままブレークを奪った。その後のサービスゲームも拮抗したラリーが続いたが、ナダルが強力なウィナーを連発してキープし、第1セットを奪った。ゲームカウントは6‐4だった。

第2セット、第5ゲーム。ナダルにブレークチャンスが訪れるが、ディミトロフは高い集中力と素晴らしいショットでポイントを死守し、ナダルはブレークを奪うことができなかった。その後さらにギアを上げてきたナダルに対し、ディミトロフもさらに調子をあげ応戦。ディミトロフはポイントを決めると感情を露わにし、大きなガッツポーズを見せることも多くなった。ディミトロフはペースを掴みつつあったナダルに気持ちで喰らいついた。そのまま両者はサービスゲームをキープし続け、タイブレークにもつれ込む。タイブレークでは、ナダルが先にミニブレークをし、リードを握る。しかしその後、ディミトロフの武器である耐久力と鋭いコントロール力に苦しめられ、カウントを6‐4に巻き返された。その後のセットポイントもディミトロフの気迫あるプレーで押され、ナダルは第2セットを奪われた。ゲームカウントは6‐7(4)で、逆転でセットを奪ったディミトロフは大きな雄叫びを上げた。

運命の最終セット、両者がさらにギアを上げ、レベルの高いラリー戦が続く。第5ゲーム、第3ゲームに続きダブルフォルトでファーストポイントを落としてしまったナダルは、ディミトロフにブレークポイントを握られる。しかしファーストサービスをしっかりと決めていったナダルはこのゲームを何とか凌ぎきり、大きなガッツポーズを見せた。続く第6ゲーム、流れはディミトロフに傾き始めていたがディミトロフはプレッシャーのあるポイントにおいて凡ミスが多くなっていった。そのチャンスをナダルは見逃さず、ナダルはブレークを先取。その後も最後まで王者ナダルは自身のサービスゲームを落とすことなくキープしていき、最終セットを勝ち取り勝利を決めた。ゲームカウントは6‐3だった。

死闘を勝ち抜いたナダルは、先に行われた対戦で準決勝進出決めたマリン・チリッチ(クロアチア)との対戦が決まっている。(テニスデイリー編集部)※写真は「上海ロレックス・マスターズ」で死闘を乗り越えたナダル。

(Photo by XIN LI/Getty Images)