◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 事前(26日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン…

笹生優花は優勝トロフィーと一緒に全米女子オープンの会場に入った(Kathryn Riley/USGA)

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 事前(26日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇6829yd(パー72)

2021年大会優勝時のレプリカはいま日本にある。笹生優花は昨年、再び手にした歴史あるトロフィーとは、何度か一緒に拠点のあるテキサス州ダラスの街に出たという。「どこに行くにも持っていきました。誰にも盗まれることもなかった。助手席に置くときには上の部分にだけシートベルトもかけて(笑)」。チャンピオンの名前が刻まれた伝統のカップは慣例通り、この日をもって全米ゴルフ協会(USGA)に返却。大会3勝目を目指す戦いが始まる。

「全米女子オープン」の史上最多勝利数はベッツィ・ロールズとミッキー・ライトの通算4勝。3勝は4人で、直近ではアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が2006年に達成した。笹生が今週、3度目の栄冠に輝けば19年ぶり。2年連続優勝も2000&01年のカリー・ウェブ(オーストラリア)以来、24年ぶりとなる。

さらなる偉業への期待が高まる一方で、今季ここまでの成績は振るわない。最高成績は2月「ホンダLPGAタイランド」の17位。3月の「フォード選手権」以降、グループリーグで敗退した「Tモバイル マッチプレー」も含めて5大会で週末に進めていない。

シーズン序盤戦の低迷も、本人はどこ吹く風といった具合。「フラストレーションはあったけれど、ゴルフは完璧にできるゲームではないと理解している」と地道な調整を続けてきた。公式会見で「人の目をあまり気にせず、この試合を良い経験として捉えるのが自分のスタイルかなと思う。楽しんでゴルフができればいい」と笑顔。そういえば1年前も、直近の「みずほアメリカズ・オープン」の予選落ちを経て大会2勝目につなげた。

ことしの会場、エリンヒルズは視界が開けたロングコース。「リンクスな感じで風も強い。アメリカには(なかなか)ないゴルフ場かなと思います」と感じた。過去2勝、女子ゴルフ最高峰の戦いは「リラックスする時間がないくらいほどに、タフさが自分を深く集中させてくれる」ことが笹生にポジティブに働く。「まずは予選通過できるように。メインは楽しんで、良い経験を積んで、良い一週間にできること」とスタイルは一貫している。