「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

齊藤大将 さいとう・ひろまさ
桐蔭学園高→明治大
投手・左投左打・178センチ75キロ・1995年6月3日生(22歳)

 

 サイドハンドに近い腕の振りから、最速146km/hのストレートやキレの良いスライダーなどの変化球を投げ込む。「即戦力となる可能性も大きい」とスカウトの評価も高い。
 桐蔭学園高時代には甲子園出場こそ無いものの、2年夏に準優勝、3年春に優勝を果たすなど激戦区・神奈川で当時から高い注目を集めていた。
 明治大では1年春から登板機会を掴み、今春からは数々の栄光をもたらした柳裕也(現中日)からエースの座を受け継いだ。
 着実にステップアップし続けていたかに思えたが、今春は苦しんだ。わずか2勝に終わり、チームは5位に沈んだ。

 だが、昨年に続き選出された侍ジャパン大学代表での活動を通じて投球の幅を広げた。日米大学野球では2敗を喫したが、ユニバーシアードでは4試合を投げ無失点。貴重なリリーフ左腕として金メダル獲得に貢献した。また、青島凌也(東海大3年)からチェンジアップの握りや投げ方を学んで取り入れ、他の投手陣の投球を見て、低めに球を集める大切さを再認識した。

 そして今秋は「相手打者との駆け引きで相手のバットの芯を外すこと」を念頭に置き、チェンジアップの比率を増やし、カットボールも有効に織り交ぜている。
 チーム開幕戦となった早稲田大との1回戦でリーグ戦初完投を初完封。さらに3回戦では、より力が伝わるフォームの反動で左足裏の皮が剥がれるアクシデントこそあったが、痛みに耐えながら11回途中まで投げて勝ち点獲得に繋げた。善波達也監督は1回戦後に「球持ちが本当に良かったですし、自分が思っている齊藤よりも遥かに良かったです」と目尻を下げ、3回戦後は「齊藤に尽きます。よく粘ってくれました」と労った。
 また視察していた中日・中田宗男スカウト部長は「低めに丹念に投げられるようになりました。エサをうまく蒔きながら投げていますね」と評価し、投球スタイルの変化を好投の要因に挙げた。
 様々な役割を様々な舞台で担い、その豊富な経験を生かしてきた齊藤が、さらに刺激的な舞台でどんなことを吸収し、どんな輝きを放つのか楽しみだ。

文・写真=高木遊