陸上の東日本実業団選手権が24日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場であり、男子100メートルは日本記録保持者の山縣…

 陸上の東日本実業団選手権が24日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場であり、男子100メートルは日本記録保持者の山縣亮太(セイコー)が10秒35(追い風0.8メートル)で5位だった。

 決勝で、山縣は中盤まで先頭争いをした。加速区間でピッチを上げた。

 だが、「最後まで持たなかった」。力みも出て、終盤、ライバルたちに引き離された。

 「点数で言えば60点。試合にしかない独特の雰囲気を感じられたことはよかった」

 2、3月と国内の室内レースや海外の試合に出場した後の4月上旬。ウェートトレーニングでバーベルを足に落とし、左足の親指を骨折した。4月下旬の織田記念や1週間前のセイコー・ゴールデングランプリは欠場した。

 9月の世界選手権東京大会に向け、復活を期すシーズンに起きたアクシデント。

 「めちゃくちゃ焦りました」

 スパイクを履いて走り始めたのは1週間前。だから、後半までスピードを持たせる練習が不十分だった。準備期間を考えれば、「手応えはいろんな意味である」と言うように、この日のタイムは及第点だ。

 世界選手権の参加標準記録は10秒00。世界陸連が定めるランキングでの出場を狙うにも、ライバルは多い。「みんなレベルが高い。日本記録を持っていますが、完全にチャレンジャーだと思う」

 次戦は6月1日の布勢スプリント(鳥取県)。9秒95の日本記録を樹立した大会で、復活ののろしを上げる。(加藤秀彬)