小型の舟に乗り、川の激流で回転やジャンプの技を競う「フリースタイルカヤック」というスポーツがある。長年この競技に挑んできた高千穂町の倉戸ルカさん(47)が日本代表に選ばれ、6月にドイツで開かれる世界選手権に出ることが決まった。「高千穂のア…
小型の舟に乗り、川の激流で回転やジャンプの技を競う「フリースタイルカヤック」というスポーツがある。長年この競技に挑んできた高千穂町の倉戸ルカさん(47)が日本代表に選ばれ、6月にドイツで開かれる世界選手権に出ることが決まった。「高千穂のアピールも兼ねて頑張りたい」と意気込む。
この競技は、長さ160~180センチ、幅60~70センチ、重さ15キロ程度のカヤックを操り、持ち時間45秒の中で回転や宙返りなどの華麗さを競う。「水上のフィギュアスケート」とも呼ばれる。
倉戸さんは兵庫県出身。2024年6月から町の地域おこし協力隊員として、自然を生かした体験型プログラムの開発を手がけている。競技は20代後半の時に知り、今回を含め7回、日本代表に選ばれてきた。
普段は町内の景勝地・高千穂峡の下流で練習。時には長崎や山口まで足をのばす。泣きどころは費用の支援がないこと。競技自体は見応え十分だが、五輪種目でないため、競技人口が少なく、知名度も低い。遠征のたびに金策で頭を悩ませ、今回も支援を呼びかける。
倉戸さんは5月13日に甲斐宗之町長を訪ね、日本代表に決まったことを報告。激励を受けた。
「協力隊として働かせていただきながら挑戦できるのは、町と町民の理解があればこそ。高千穂の子どもたちに、町から世界を目指せるということを知らせ、川遊びの楽しさも伝えていきたい」(星乃勇介)