第77回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の準々決勝2試合が20日、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸であった。第1試合で桐生第一(群馬2位)が1―4で専大松戸(千葉1位)に惜敗。第2試合では健大高…

 第77回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の準々決勝2試合が20日、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸であった。第1試合で桐生第一(群馬2位)が1―4で専大松戸(千葉1位)に惜敗。第2試合では健大高崎(群馬1位)が3―1で習志野(千葉2位)に勝利し、準決勝進出を決めた。健大高崎は山梨学院(山梨1位)と東海大相模(神奈川2位)の勝者と、24日に対戦する。(中沢絢乃)

■桐生第一、3年生が意地の同点打

 ◎…桐生第一は1点を追う二回、松島桜介(2年)が四球で出塁。伊藤悠大(3年)が真ん中高めの直球を振り抜き、左翼への二塁打に。松島が一気に生還し、同点とした。2年生が活躍する中、伊藤は「3年生の意地を見せたかった」。

 その後は相手の下手投げ投手に苦しめられ、なかなか得点に結びつけられない。「群馬にはいないタイプの投手」と今泉壮介監督。それでも小倉颯太(2年)が好機をつくる。五回には低めの直球を振り抜き左翼への二塁打に。八回にも低めの直球に反応し安打で出塁、森田惺(せいは)(2年)の犠打で二塁に進んだ。

 身長160センチの小倉。今泉監督は「気持ちが強く、パンチ力がある」という。小倉は「悔しいけど夏がある」と話した。

 先発登板したのは背番号11の長岡拓海(2年)。緩急をつけた投球で7回2失点。今泉監督は「コーナーに丁寧に投げていい投球をしてくれた」と評価。長岡は「関東の強豪との対戦は夏に向けての自信になった。直球を磨き、ピンチで三振が取れる投手になりたい」。(中沢絢乃)

■健大高崎、1年生投手が公式戦初登板

 ◎…健大高崎は1点を追う三回、石田雄星(2年)の右前適時打で同点。四回には杉山翔大(3年)の左中間への適時二塁打で勝ち越した。「前の打席で三振してしまったから、同点から1本打ててよかった」と杉山。九回にも石田の左中間を破る適時三塁打で突き放した。石田はこの日、3安打2打点の活躍。

 一方、走塁で悔やまれる場面も。一回、俊足を生かし内野安打で出塁した石田が牽制(けんせい)死。「足を生かした攻撃が自分の役割なのに、そこでミスして流れを相手に持っていかれた」。九回にも三塁走者で飛び出しタッチアウト。「一つのミスや油断で負けてしまう。常に挑戦者の気持ちで臨まなければ」と石田。

 この日先発したのは、公式戦初登板の石垣聡志(1年)。中学時代に最速140キロを出し注目された。この日は3回44球を投げ、先輩にマウンドを渡した。青柳博文監督は「将来的に世代トップクラスの投手になるのでは」と期待をかける。石垣聡志は「甘く入った変化球が改善点。ここぞという時に気持ちのこもった一球を投げたい」と振り返った。

 四回以降は山田遼太(3年)、下重賢慎(3年)、石垣元気(3年)ら3年生が無失点に抑えた。九回に登板した石垣元気が150キロ台を連投すると会場がどよめいた。同じ名字を持つ石垣聡志は「石垣さんは偉大な先輩。マウンドに立つと球場の雰囲気を変えてしまう」と尊敬のまなざしを向ける。石垣聡志は沖縄県・石垣島出身。「こんなに多くの観客がいる球場は初めての雰囲気。いい経験になった」(中沢絢乃)