<大相撲五月場所>◇九日目◇19日◇東京・両国国技館【映像】立ち合い不成立で「怒声」 実際の様子 関脇・霧島(音羽山)が前頭四枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)を豪快な首投げで下した一番。土俵際でもつれ、物言いがついた熱戦は一度目の立ち合いで呼吸が合…

<大相撲五月場所>◇九日目◇19日◇東京・両国国技館

【映像】立ち合い不成立で「怒声」 実際の様子

 関脇・霧島(音羽山)が前頭四枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)を豪快な首投げで下した一番。土俵際でもつれ、物言いがついた熱戦は一度目の立ち合いで呼吸が合わず不成立に。次の瞬間、館内から「おいおいおい!」と怒声が響いたことを受け、「力士に失礼」「さすがに不快」「つまみ出せ」など批判が相次ぐ事態となった。

 張りつめた空気の中、先に左手をついた尊富士、次に右手を下ろした霧島。さらに尊富士が右手をついて立とうとするも、呼吸が合わず。この間合いを嫌った尊富士が立ち上がって右手を差し出して「すみません」と霧島に謝罪し、審判長にも深々と頭を下げ、再度、霧島に向かって頭を下げたが…「おいおいおい!!」と男性ファンの凄むような怒声が響いた。

 館内がどよめいた一連のシーンにファンからは「力士に失礼」「さすがに不快」「おいおいおいとか言ってるやつさぁ…」「つまみ出せ」などの批判が殺到。一方では「尊富士、礼儀正しい」「たけるん、珍しく緊張か?」「本気度が伝わってくる」といった声も聞かれた。

 その後、2度目の立ち合い。頭をつけて低い姿勢から突いて出た尊富士に対して、霧島は時計回りに回りながら左を差し、右で尊富士の体を抱えながらぐるっと一周して再び土俵中央へ。ここで尊富士が左まわしに手をかけると、霧島は差した左手と抱えた右手を合わせるようにして尊富士の肩口から首をロックして豪快な首投げ。尊富士は背後から、霧島は顔面からともに激しく土俵に倒れ込んだ。

 軍配は霧島に上がったが、しばらくの時間差を経て「同体ではないか」と物言いが。しかし、尊富士の体が先に落ちているということで、軍配通り霧島が6勝目(3敗)を挙げ、尊富士は6敗目(3勝)を喫した。

 この取組について解説を務めた照ノ富士親方は、同部屋の尊富士について「立ち合いは下からで良かった」とした一方で、「左を差した時、一気に早く出ようという感じではなく、止まって、左側に寄っていくべき。いったん、止まるべき。そうじゃないと…喜んで出ちゃうので…昨日の豊昇龍関の場合も。入った後、喜んで出ちゃう。突きに徹底してもらいたい。差して負けている相撲が多い。最近は“差す癖”が出てきている」と今場所苦しい状況が続く尊富士に注文をつけた。尊富士は前日の取組で横綱・豊昇龍(立浪)に差し手を抱えられて強烈な小手投げを食って悔しい黒星を喫している。

 この激しい一番では、土俵下に落下した霧島は顔面を擦りむき、しばらく立ち上がれず。顔面から落ちてまで勝利への執念を見せた関脇に対して「霧島報われたけど、痛そう」「痛々しい」「しばらくお風呂で痛いヤツ」といった声が、惜しくも敗れた尊富士に対しても「負けたけど攻めの相撲だった」「今場所はツキもないか」といった励ましと労いが寄せられていた。(ABEMA/大相撲チャンネル)