5月16日(現地時間15日、日付は以下同)、デンバー・ナゲッツは「NBAプレーオフ2025」ウェスタン・カンファレンス・セミ…

 5月16日(現地時間15日、日付は以下同)、デンバー・ナゲッツは「NBAプレーオフ2025」ウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第6戦でオクラホマシティ・サンダーに119-107で制し、シリーズを3勝3敗のイーブンに戻した。

 ナゲッツのエースであるジャマール・マレーは、体調不良のため試合当日に発表された出場ステータスが「不確か(Questionable)」となっていた。しかし、結果として先発出場したマレーは両チーム最多となる約42分のプレータイムで25得点8リバウンド7アシスト1ブロックをマーク。決して負けられない戦いである第6戦でチームを勝利に導き、第7戦に望みを繋げた。

 マレーは試合直後のインタビューに応じ、体調不良の中で試合に出場できるか不安になったかと問われると、次のようにコメントした。

「いや、そんな気持ちにはならなかった。起きた時に体調の異変を感じたから、クリニックでいくつか検査をしたんだ。結果は陰性だったから、ほっとしたよ。でも、頭の中では最初から出場するつもりでいた。今日は勝てて良かった。このシリーズを突破するチャンスができて嬉しい」

 体調不良をおしてプレーし勝利に貢献たマレーは、“神様”マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズ他)による“フル・ゲーム”を想起させ、主にSNSで話題を集めている。

 1997年のNBAファイナル第5戦、体調不良にもかかわらず出場したジョーダンは約44分のプレータイムで38得点を記録し、ユタ・ジャズ相手に90-88で勝利を収めた。試合中継で「ジョーダンはインフルエンザのような症状に苦しんでいる」と実況されたことから、この試合は“フル・ゲーム(The Flu Game)”と呼ばれ伝説となっている。(なお、Netflixのドキュメンタリー「マイケル・ジョーダン:ラストダンス」の中で、ジョーダン自身が当時の体調不良はインフルエンザではなく食中毒によるものだったと明かしている。)

 NBAファイナルとカンファレンス・セミファイナルという舞台の違いはあるが、体調不良の中大一番でエースの務めを果たしたマレーに対し、現地メディア『Bleacher Report』は「ジャマール・マレーの“フル・ゲーム”が、勝負を第7戦に持ち越した」と取り上げている。

 レギュラーシーズンで圧倒的な強さを誇ったサンダーを相手に互角の戦いを見せているナゲッツだが、果たして第7戦の栄冠はどちらの手にわたるか。2日後の決戦に世界中から注目が集まっている。