ラウンド終了と同時にダウンする珍場面が再び──。2大会連続で飛び出した「ゴング前か、ゴング後か?」というシビアなジャッジに対し、ベテラン・レフェリーの一ミリも迷わない判断にも注目が集まった。【映像】ゴングと同時に衝撃ダウン 5月11日、愛…

 ラウンド終了と同時にダウンする珍場面が再び──。2大会連続で飛び出した「ゴング前か、ゴング後か?」というシビアなジャッジに対し、ベテラン・レフェリーの一ミリも迷わない判断にも注目が集まった。

【映像】ゴングと同時に衝撃ダウン

 5月11日、愛知・ポートメッセなごや第三展示館で開催された「RISE FireBall NAGOYA」で、石川泰市(Ten Clover Gym)と青木洋輔(大和ジム)が激突。1カ月前の「RISE」大会でも話題となった”ゴングと同時にダウン”が再び発生。その判定を巡り、再びファンの議論が盛り上がりを見せた。

 石川は、新人選手の登竜門的トーナメント「Stand up King of Rookie 2022」-67.5kg級で優勝の実績を持つ26歳。昨年10月の實方拓海戦でのKO負けからの再起戦となる。一方の青木は、30戦近いキャリアを誇るベテランで、ムエタイで二度の戴冠歴を持つ。地元・名古屋で“札付きのワル”として知られていたが、大和哲也率いるジムで格闘家としての才能を開花させ、地元大会に特別な思いで臨んだ。

 試合は1ラウンドから石川がガード越しに強打を振るい、カーフキックや左インローを着実にヒット。石川の強い打撃に、青木もガードを固めつつ、ジャブ、右ヒザ、アッパーと多彩な攻撃で応戦する。

 2ラウンドはさらに激しい近距離での応酬に。石川が積極的にパンチで手数を稼ぎ、カーフキックを効果的に散らす。青木もピンポイントで右を当て、トリッキーな動きで撹乱するが、残りわずかのところで石川が強烈な右フックを振り抜き、ボディへの連打、さらにアゴへの右ストレートがクリーンヒット。

 ロープを背にした青木の脳が揺れ、仰け反るように後退。連打を浴び、腰がストンと落ちたと同時にゴング。ファンからは「もうダメだろ」「ぐらついた」「腰が落ちた」と声が上がったが、ここは“ゴング後のダウン”と判定され、無効となった。

 ABEMAの解説・一馬は「あれはゴング後だったので……危ないタイミングでしたね」と、しっかり目視した上でコメント。ファンからは「同時じゃね?」「ダウン取れよ」「取らないのか最後」といったリアクションもあったが、3分終了のゴングのあとに石川の右パンチが入り、青木がフラッシュ気味に崩れたというレフェリーの判断が下された。

 約1カ月前の「RISE187」でも“ゴングと同時のダウン”という類似の場面があり、その際はダウンと判定され、ゴング後にカウントが数えられるという珍しい展開が話題となった。しかし今回は、試合を裁いた和田良覚レフェリーが、ゴングに合わせて制止動作を示した際、腕が伸びた直後であったことが“ノーダウン”の決め手となった。

 3ラウンドも両者は最後まで手を止めず、互いにフックやボディ打ちを繰り出す激しい打ち合いのまま終了。判定は3-0で石川が勝利。ダウンは認められなかったものの、2ラウンド終了間際の攻勢に加え、全ラウンドを通じて積極性を見せた石川が、再起戦を白星で飾った。