佐々木と綿密なプランを計画し合っているプライヤー投手コーチ。(C)Getty Images 日本球界の怪物に“異変”が起…

佐々木と綿密なプランを計画し合っているプライヤー投手コーチ。(C)Getty Images

 日本球界の怪物に“異変”が起きた。

 現地時間5月13日、ドジャースは佐々木朗希が右肩痛(インピンジメント症候群)のため、15日間の故障者リスト(IL)入りすると公表した。

【動画】佐々木朗希の真っすぐを逆方向へ…ダイヤモンドバックス戦での被弾シーン

 今シーズンにメジャーリーグでのキャリアをスタートさせた23歳だったが、開幕から低調なパフォーマンスに終始。日米通算72試合目で初の1試合0奪三振に終わった現地時間5月9日のダイヤモンドバックス戦までに8先発し、防御率4.72、WHIP1.49。さらにロッテ時代に11.52を記録した奪三振率も6.29にまでダウン。支配的な投球は鳴りを潜めていた。

 とりわけ春先から懸念されてきたのは、球速の低下だ。依然として平均球速96.1マイル(約154.6キロ)は、昨季のメジャー平均(94マイル=約151.2キロ)を超えており、「速い」とされる部類には入るものの、NPBでは100マイルを超えるボールを連発していただけ、4シームの威力不足は否めない。実際、プロ入り後ワーストタイの5失点で降板したダイヤモンドバックス戦では、4シームを狙い打たれて2本も被弾していた。

 被打率も.253と通用していない怪腕の真っすぐを「スピンや縦回転もなく、フラットで、打ちやすい」と指摘する米紙『Los Angeles Times』は、ここまでの不振をふまえて「最も明白な危険信号は速球の出来にあった」と断言。その上で、佐々木を支えるマーク・プライヤー投手コーチは、「明らかに球種に問題がある」とし、試行錯誤を重ねる若武者の課題を語った。

「100マイルでも、98マイルでも、コントロールしやすいならそれでいいんだ。そういう会話は彼ともしていた。でも、今回のようなレベルの問題はなかったんだ。私たちは毎週、彼と初心に戻ってプランを練りあっている。最終的には彼が自分のプロセスを進めていく中で、私たちはできる限りのことをして彼をサポートしようとしている」

 思えば、ドジャースは獲得時から「佐々木は発展途上の投手」という考えを公にしてきた。そうした彼らの振る舞いを見れば、今の苦心は、ロッテ時代の支配的な投球を、メジャーレベルへと昇華させるための“産みの苦しみ”と言えるのかもしれない。

 デーブ・ロバーツ監督は、ダイヤモンドバックス戦後に佐々木を諭すように持論を明かしている。

「確かに彼には才能がある。しかし、まだ仕上げの段階でもあるんだ。それは我々も覚悟していたことだ。彼自身は完璧な成功を得られなかったことを受け入れるのは辛いことだろうが、これはタフなリーグなんだ」

 現時点で右肩痛からの回復時期は不透明なまま。長期的なものになる可能性もゼロではない。しかし、逆に言えば、佐々木にとって己を見直す時間が与えられたとも言える。

 自ら「世界一の投手になる」と飛び込んだタフな環境で生き残るため、そして打者を牛耳った速球を投げ込むため。佐々木にとって意味のある休養期間となることを願いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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