米球界で「最強の投手」とされるスキーンズ。 覇権奪回へ。アメリカはかつてないほど本気だ。現地時間5月13日、MLB公式ネット局『MLB Network』は、パイレーツの怪腕ポール・スキーンズが、来年3月に開催されるワールド・ベースボール・ク…
米球界で「最強の投手」とされるスキーンズ。
覇権奪回へ。アメリカはかつてないほど本気だ。現地時間5月13日、MLB公式ネット局『MLB Network』は、パイレーツの怪腕ポール・スキーンズが、来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場することを発表した。
同局の番組内では、約1か月前の4月15日、ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジが、WBCに臨むアメリカ代表のキャプテンに就任したことが発表されたばかり。そうした中でスキーンズの参戦は、投打において、メジャーリーグで最高のプレーヤーを揃えたと言えよう。
現在22歳のスキーンズは、昨季に鮮烈すぎるメジャーデビューを飾った。23試合に登板して、11勝3敗。規定投球回数には届かない133イニングだったものの、防御率は驚異の1.96で、イニング数を大きく上回る170三振を奪取。ナ・リーグの新人王にも輝き、今季は開幕前からサイ・ヤング賞候補の最右翼に推されていた。
2023年のドラフト全米1位右腕の最大の武器は、100マイル(約160.9キロ)超を連発し、昨季の平均球速が98.8マイル(約159キロ)にも達する4シーム。その剛速球で打者を圧倒し、現在のメジャーで「最高の投手」の一人に挙げられている。
前回大会のアメリカ代表は、決勝で大谷翔平擁する日本代表に惜敗。文字通り眼前で辛酸をなめさせられる苦々しい経験をしていた。FA交渉の末にヤンキースと大型契約を結んだばかりで、欠場を余儀なくされたジャッジは当時を振り返り、「つらかった。見ていてつらかった」と繰り返している。
そんな経験から球界全体が世界一奪還、そして侍ジャパンへのリベンジに燃えている。
もっとも、WBCは通常であれば、春季キャンプの真っ只中である3月の開催となる。そのため、打者よりも特に投手の調整が難しいとされる。
前回大会も打線はマイク・トラウトの他、ムーキー・ベッツやウィル・スミス、トレイ・ターナーらオールスター級の選手が集結。一方で先発投手はアダム・ウェインライトやマイルズ・マイコラス、ニック・マルティネスと、打線に比べると迫力に欠いた感は否めない。そうした状況でのスキーンズ参戦は、最大の懸案であった先発投手の拡充に大きな影響をもたらすと言える。
連覇を目指す侍ジャパンにとっても、過去最強水準のアメリカが最大の障壁となるのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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