■ブラジル人CBの確かな存在感【J2リーグ第15節 5月10日 14時03分キックオフ 大宮 3ー0 仙台 NACK5…
■ブラジル人CBの確かな存在感
【J2リーグ第15節 5月10日 14時03分キックオフ 大宮 3ー0 仙台 NACK5スタジアム大宮】
過密日程を切り抜けた先には、確かな「数字」が残る。
J2リーグ第15節が5月10、11日に行なわれ10日、3位のRB大宮アルディージャが2位のベガルタ仙台に3対0で快勝した。前節のジェフユナイテッド千葉戦に続いて、上位対決を制したのである。
前半を2対0で折り返した大宮は、勝敗の分かれ目となる次の1点目も奪う。76分、ホームのNACK5スタジアム大宮に歓喜を呼び込んだ。
得点を決めたのは、MF谷内田哲平である。スタート時はダブルボランチの一角でプレーし、後半の選手交代に伴って2シャドーの一角へポジションを上げたバーサタイルな23歳が、自身の今シーズン初ゴール&RB大宮加入後初得点によって、勝利を決定づけたのだった。
アシストはボランチのMF小島幹敏だ。長澤徹監督の就任とともに攻撃への関わりをはっきりと強めた彼は、この場面でも左ポケットへ侵入してグラウンダーのラストパスをゴール前へ通し、谷内田のゴールをお膳立てしたのだった。
この場面をもう少し巻き戻すと、ゴールキックを跳ね返されたあとのボールを、CBガブリエウが仙台のFW荒木駿太から奪っている。横浜FCから移籍してきたこのブラジル人CBは、「ボール際」での圧倒的な強さを見せつけている。
デュエルの勝利数はリーグトップを争うもので、この日も相手のシュートをブロックする、クロスをヘディングで競り勝ってクリアする、といったプレーを連続した。特筆すべきはそのプレーが、試合終盤になるにつれて増えることである。3対0で迎えた後半のアディショナルタイムには、ペナルティエリア内でスルーパスをクリアした。自陣ゴールへ帰陣しながら、スライディングでボールを蹴り出して流れを絶った。
最終的な局面で取り切れるか、守り切れるかは、チームの勝点に直結する。その意味で、ガブリエウの存在はRB大宮の大きな支えとなっている。
■5連戦を経て上位と下位の勝点に開きが
J2リーグは5月10、11日の第15節で、ゴールデンウイーク前からの5連戦を終えた。
5連戦前の時点では、4位のFC今治から17位の北海道コンサドーレ札幌までの14チームが、勝点5差でひしめき合っていた。10位のモンテディオ山形から17位の札幌までの8チームが、勝点12で並んでいた。
5連戦後はどうなったか。
J1昇格プレーオフ圏の6位の徳島ヴォルティスは勝点25だ。そこから7位のジュビロ磐田が勝点24、8位の大分トリニータと9位のサガン鳥栖が勝点22、10位のV・ファーレン長崎が勝点21となっている。ここまではまだ、勝点差が詰まっている。
一方で、11位のモンテディオ山形は勝点17だ。徳島とは勝点8の開きがある。順位表のトップハーフとボトムハーフで、勝点が少しずつ開いていることが分かる。
リーグ戦で上位のカテゴリーへ自動昇格するには、試合数の倍の勝点が目安と言われる。5月10、11日までに15試合を消化したJ2ならば、この時点でのJ1自動昇格圏の目安は「30」になる。
ここまで首位のジェフユナイテッド千葉は、11勝2分2敗で勝点35だ。仙台との上位対決を制した2位のRB大宮は、9勝3分3敗で勝点30としている。RB大宮は千葉、仙台との直接対決で連勝し、価値あるポイントをつかんだ。3位のベガルタ仙台も、勝点28である。ペースとしては悪くない。
今節でRB大宮に敗れた仙台は、17日開催の次節で千葉と激突する。両チームの今シーズンを左右する6ポイントマッチは、J1昇格争いにも影響を及ぼす一戦となる。