サッカーJ1鹿島アントラーズで活躍したジーコさん(72)=ブラジル=が9日、茨城県鹿嶋市役所を訪れ、市制施行30周年に…
サッカーJ1鹿島アントラーズで活躍したジーコさん(72)=ブラジル=が9日、茨城県鹿嶋市役所を訪れ、市制施行30周年にお祝いの言葉を述べた。「節目の年にアントラーズが優勝し、皆さんと一緒に喜び合えればうれしい」と期待を込めた。
ジーコさんはJリーグ開幕年の1993年と翌94年にアントラーズでプレー。鹿嶋市はその翌年の95年に鹿島町と大野村が合併して誕生した。ジーコさんは今、アントラーズのクラブアドバイザーで、同市の名誉市民でもある。
この日、市役所でジーコ・スピリットと呼ばれる「献身・誠実・尊重」の精神を記したパネルを贈り、田口伸一市長や市議会の内田政文議長らと懇談。現在首位を走るアントラーズの戦いぶりに触れ、「必ずJ1優勝のタイトルを取るので年末には一緒に勝利の美酒に酔いしれましょう」と語りかけた。
田口市長から「アントラーズと市が歩みを共にしてきたこの30年で印象深い出来事は?」と問われたジーコさん。「たくさんありますが、Jリーグ開幕年にファーストステージで優勝したのが思い出深い。皆さんの応援のおかげで地域と一体となって獲得できたタイトルです」と振り返った。
「30年で鹿嶋は大きく発展した。皆さんの尽力のたまもの」とたたえ、「あの頃は(世界的に有名な)ハンバーガーショップやカフェもなかった」と笑いを誘いながら懐かしんだ。
また青少年の健全育成について「スポーツには計り知れない力がある。幼い頃からスポーツをすることで、心身ともに健康で前向きな性格になる。目標達成に向けて仲間と協力する大切さを知り、家族との絆も深まる」と語った。
ジーコさんはブラジル代表や名門クラブCRフラメンゴなどで名をはせた。1991年からアントラーズの前身である住友金属工業に所属し、Jリーグ草創期を牽引(けんいん)した。現役引退後も日本代表監督などを歴任した。(中村幸基)