◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 初日(8日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇66…

藤田さいきが15年ぶりの国内メジャータイトルへ単独首位発進

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 初日(8日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6675yd(パー72)◇晴れ(観衆4572人)

よく入るね――。これ以上ないシンプルな称賛でも、それが永久シード選手・不動裕理に言われた言葉ならうれしさもにじむ。6アンダー「66」で単独首位発進を決めた藤田さいきは「もう、完璧だと思います。不動さんにも褒めていただいたので…」と恐縮しながらかみ締めた。

最終9番(パー5)も9m近い距離を流し込んで7個目のバーディ(1ボギー)で締めくくるなど、さえ渡ったグリーン上は合計22パット。後半ハーフ20パットと苦戦した不動が舌を巻くのもうなずける。長い距離も、シビアなパーセーブもあった。

18ホールで合計わずか22パット

「私がデビューした時は、こういうグリーンが多かった。すごく懐かしいなって。(速い分)打たなきゃいけないっていうことがないので、本当にラインだけに集中できる。すごく耐えてましたけどね」。高速グリーンで押さえるポイントは体に染みついている。

レジェンドと同組だったこの日は、ウォーミングアップの練習場から緊張感に包まれていたとか。天本ハルカに帯同している男子プロの伊澤利光と話すチャンスがあり、アプローチのアドバイスをもらったと感謝する。「すごく気にかけて、会うたびに声をかけていただける。(自身のコーチである)兄は横でずっとうなずくだけ。とんでもなく豪華な朝の練習でした(笑)」

メジャー昇格後、16大会連続16回目の出場

前週「パナソニックオープン」は右手首痛により第2ラウンド途中で棄権。39度の高熱も出て、週末はひたすら身体を休めるしかなく、練習ラウンドも回避して開幕前日のプロアマをプレーしただけだった。準備面の不安は、経験値でカバー。2008年のメジャー昇格後に限れば16大会連続16回目の出場。不動、笠りつ子と並び、全美貞(韓国/17回目)に次ぐ数字だ。

相手はレジェンド。握手もこんな感じになります

朝も右手首の鍼(はり)治療を受けるなど、万全ではない中で飛び出した39歳。「初日はパープレーくらいでいいかなと思っていた。思ったより、みんながスコアを出すのでちょっとビックリしました。うまいですね、みんな」と他人事のように言って笑う。2010年「日本女子プロ選手権」以来15年ぶりの国内メジャータイトルへ、ひょうひょうと最高のスタートを切った。(茨城県つくばみらい市/亀山泰宏)