岐阜県各務原市を活動拠点とする中学生以下のバレーボールチーム「フレンズバレーボールクラブ」が、同市鵜沼南町にビーチバレ…
岐阜県各務原市を活動拠点とする中学生以下のバレーボールチーム「フレンズバレーボールクラブ」が、同市鵜沼南町にビーチバレー専用のサンドコート「ペンギンオアシス」を整備した。海なし県でありながら、ビーチバレーでは2022年から全国大会で3年連続優勝を果たした強豪。これまでは約1時間かけて離れた練習場まで通っていたが、地元に練習環境が整った。11日に開業する。
同チームなどによると、中学生以下のクラブが専用のサンドコートを所有するのは全国で初めてという。コートは、チームを支援する大竹建設工業所の敷地内に完成した。広さは約390平方メートルで、縦16メートル、横8メートルのビーチバレーコート1面と周囲には高さ6メートルのネット、テラス、シャワールームなどを備える。コートには国際規格をクリアした細かい砂約200トンを入れ、排水機能も設けて水はけをよくした。
チームには、小学6年~中学3年の15人が所属。14年にインドアのチームとして発足し、17年からビーチバレーにも挑戦をはじめた。翌18年から全国中学生ビーチバレー大会に出場し、22、23年は2人制で2連覇、24年は4人制で初優勝を飾るなど、実力は全国トップクラスだ。
しかし、県内にビーチバレーができるサンドコートは、海津市の長良川サービスセンター内の4面しかない。練習は週末に月2回程度しかできないうえ、各務原市からは車で片道約1時間かかり、選手や指導者、保護者の負担となっていた。
家庭婦人バレーボールの選手として活躍し、発足時からクラブを率いる立松朋子監督(60)が、選手に最適な練習環境を整えようと、10年前から候補地を探し、駅から徒歩数分の距離にあり、子どもだけでもコートまで通うことができる場所が見つかった。
建設費は約1千万円。国家公務員の仕事を早期退職した立松監督が自腹を切り、退職金の一部を充てたという。コート名の「ペンギンオアシス」は、ペンギンのようによちよち歩きの子どもたちが、安心してくつろげる憩いの場にしたいという思いが込められている。
維持費として借地料や砂の補充などのメンテナンスに年間100万円ほどが必要なため、13日までクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。
立松監督は「子どもたちが安全にビーチバレーの練習ができる環境を早く整えたかった。支援していただいた方に感謝したい」と話す。
4月29日はコートの完成を記念し、選手たちが交流試合をして砂の感触を楽しんでいた。フレンズ主将で昨年の全国優勝のメンバーでもある蜂矢蒼空さん(中学3年)は「素晴らしいコートで練習ができるのはうれしい。全国大会(4人制)で2連覇したい」と話した。
ビーチバレーの練習は原則毎週土、日曜日。練習がない日はコートを一般開放(有料)する予定。CFの支援は「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/55penoa)から。(松永佳伸)