バスケットボール男子「Bリーグ」では、2026年秋に始まる新カテゴリー「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」に向けたクラ…

 バスケットボール男子「Bリーグ」では、2026年秋に始まる新カテゴリー「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」に向けたクラブの経営強化が進む。

 22年に日立製作所からゲーム・遊技機大手セガサミーホールディングス(HD)へ経営権が移ったサンロッカーズ(SR)渋谷は、昨年6月にクラブ社長も交代。日立出身の前任者からバトンを受けた神田康範社長(44)に、ビジネス面での課題や今後の展望を聞いた。

――東京に本拠を置くB1クラブは、SR渋谷とアルバルク(A)東京の二つ。東京でクラブを経営する難しさはありますか?

 「やはり競合の多さだと思います。野球やサッカーといったプロスポーツだけではなく、音楽ライブやいろいろなエンターテインメントがある中で、バスケの良さを出して選んでもらわないといけない。地方と比べて、エンタメの選択肢はかなり幅広い」

――逆に、大都市ならではの利点はありますか?

 「一番のアドバンテージは、大企業とタイアップができるところです。例えば、ユニホームに掲出するスポンサーは、胸や背中に業種の異なる大手企業が名を連ね、真ん中には親会社のセガサミーがいる。地方では、ナショナルブランドがスポンサーにつく理由をつくりにくい。東京だからこそ、ナショナルブランドが付く流れがつくれます。そういうところは圧倒的に有利です。協賛金の額は、地方と比べて下手すると2桁違ってきます」

 「私が九州で野球の独立リーグチームを経営していたころは、社長みずから営業に出向き5万円、10万円の協賛を取り付けることもありました。チームを応援する気持ちがある方々から協賛してもらえれば、それで成り立っていた面もあります。ただ、東京でその動き方は難しい。大企業と組む機会に恵まれる一方、費用対効果はどうなのか、といった検証を厳しく求められます」

――親会社がセガサミーであることの強みを教えて下さい。

 「そもそも、セガサミーがエンタメの会社。『感動体験を創造し続ける』というのが企業理念にあり、バスケとは親和性しかないと言えます。ゲームやダンス、マージャンなどのエンタメの力、セガサミーのグループの力を活用しながら、我々だからできることを考えていかないといけない」

――26~27年シーズンからは本拠を「トヨタアリーナ東京」(東京都江東区)へ移します。トヨタ自動車がオーナーを務めるA東京との共同使用という特異な環境が待ち受けます。

 「A東京に勝つとか、負けるとかじゃなくて、同じ場所を使わせてもらうからには、他と違うことをやらないといけない。差別化をしていかないと苦しい立場になると思っています」

――親会社とクラブとの関係は今後、どうなっていくべきだと考えていますか?

 「全力で応援してもらい、バックアップしてもらっています。ただ、やっぱり経済面を含めて頼りすぎだなとも思っています。我々がしっかり稼ぐ力をつけ、『収益化できている』『クラブを買ってよかった』と親会社が認めてくれる。そんな姿を求められていると思います。少しずつ依存度を減らしていくことは大事です」

――SR渋谷は、源流となる日立製作所バスケ部が1935年に創設され、全Bクラブで最も長い歴史を持ちます。

 「90周年と言ったら、プロ野球の阪神タイガースと一緒。第1次世界大戦と第2次世界大戦の間に、日本でスポーツがちょっとずつできあがってきた時のバスケ第1号クラブ。誰がオーナーであるかは関係無く、バスケで『最古』と言えるのは本当に僕らだけです」

 「すごく誇りにすべき歴史だと思うし、その伝統は大事にしています。区切りとなる90周年のシーズンとなる来季に向け、しっかり今準備をしています。その先の100周年も見据え、さらにクラブを発展させていきたい」(構成・松本龍三郎)