「全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合 in 甲子園」(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)が…
「全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合 in 甲子園」(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)が5日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれた。全国から選ばれた計50人が東西に分かれて出場し、西日本選抜が東日本選抜に3―0で勝利した。四回1死二塁から新原旭斗(福岡・朝倉東)のバント内野安打が相手の失策を誘って先制。七回は暴投、九回は野選の間に追加点を挙げた。
■「魅力を全国に」 次世代につながる軟式野球
選手宣誓で西日本選抜の主将を務めた佐藤奏太(鹿児島)は言った。「軟式の魅力を全国に」。ブラスバンドの音色を背に、バラバラのユニホームの選手たちがハイタッチを交わす。
スタンドに陣取った各校の部員は回が進むにつれて一塁側、三塁側の内野席上段に集まり、大声援を送る。天理(奈良)の吹奏楽部は自校の選手がいる西日本でなく、東日本の応援に回った。
全国の軟式球児が、文字通り一つになった交流試合。その意義を、関係者の多くが「軟式という選択肢を知ってもらえる」と話す。
日本のスポーツは幼少期から競技志向が高い傾向にある。年齢が上がるにつれて多くの人がスポーツを「する」ことから離れる。しかし、「見る」だけのスポーツでは先細りは避けられない。
軟式は力だけでは打球が飛ばず、用具は硬式より安価で受け入れられやすい。様々な競技レベルの人たちが、野球を続けられる場だ。四回に二塁打を放った東日本の後藤大輝(宮城・東北)は「野球を続けてよかった」。高校1年で硬式から離れ、軟式に移ってきた。
国際大会や大リーグでの日本選手の活躍や、プロ野球の盛り上がりは、幅広い年齢層が野球に関心を持つきっかけになった。その先で「する」スポーツとして広く受け皿になれるのが軟式だろう。硬式も含めた広大な裾野を維持してこそ、野球というスポーツは次世代につながっていく。(平田瑛美)
【東日本選抜】投手 後藤大輝((3)宮城・東北)会田大嘉((3)山形・羽黒)明才地倖太((3)栃木・文星芸大付)森川天太((3)千葉・拓大紅陵)出口未来((3)神奈川・三浦学苑)本木魁星((3)長野・松商学園)小田切音和((3)長野工)▽捕手 尾崎佑成((3)北海道・登別明日)名須川琉斗((3)岩手・専大北上)中島陽翔((3)茨城・古河)石川雅規((3)東京・城西)多田進之助((3)神奈川・栄光学園)渡辺陣((3)新潟商)▽内野手 白浜琢磨((3)北海道科学大)佐藤耀((2)青森・弘前工)進藤海星((3)秋田工)栗原秀翔((3)茨城・茗溪学園)新井絢斗((3)栃木・作新学院)加藤弘輝((3)埼玉・花咲徳栄)中根航太ジェームズ((3)東京・駒場東邦)岡田凱世((3)富山商)▽外野手 藤原大侑((2)秋田)引地遼汰((3)仙台商)藤村厚志((3)栃木・白鷗大足利)樋口陽斗((3)群馬・高崎工)
【西日本選抜】投手 氏原奏達((3)愛知・東邦)大橋輝雄((3)京都翔英)田中瑛士((3)島根・浜田)土屋海旺((3)岡山・高梁城南)吉田倫太朗((3)徳島・富岡東)川崎翔太郎((3)熊本・文徳)▽捕手 岩山大翔((3)岐阜・恵那)南大和((3)大阪・河南)原川快理((3)広島商)大内陽聖((3)愛媛・新田)橋本大空((3)大分・津久見)▽内野手 杉浦祥太((3)静岡商)片木耕太((3)滋賀・比叡山)勝又瑠威((3)奈良・天理)坂口卓弥((3)大阪・興国)足達大輝((3)鳥取・米子東)三浦綾峨((3)山口農)木村友祐((2)香川誠陵)早川駿哉((3)長崎・五島南)佐藤奏太((3)鹿児島)▽外野手 山本錬((3)三重・高田)大塚亮汰((3)兵庫・育英)山下昊悦((3)和歌山・耐久)宮家遥生((3)浜田)新原旭斗((3)福岡・朝倉東)丸数字は学年