公開計量でカルデナスと視殺戦を繰り広げた井上。(C)Getty Images 怪物がふたたびボクシングの本場に降臨する。…

公開計量でカルデナスと視殺戦を繰り広げた井上。(C)Getty Images

 怪物がふたたびボクシングの本場に降臨する。

 現地時間5月4日、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、米ラスベガスのT-モバイルアリーナで、WBA同級1位のラモン・カルデナス(アメリカ)との防衛戦に望む。

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 ボクシング界屈指のビッグマッチが組まれるメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」で実現した一戦とあって、注目度は桁違いだ。さらに井上がラスベガスで試合をするのは、新型コロナの感染が拡大して無観客で実施された21年6月のアラン・ディパエン戦以来とあって、大きな期待が寄せられている。

 約4年前の“ベガス決戦”から7戦連続KO勝利(TKOを含む)と文字通り敵なしの強さを誇示し、世界的な声価を高めてきた。そんなモンスターだからこそ、求められる水準も高い。

 カルデナス戦への期待を綴った米メディア『Boxing Scene』は「ナオヤ・イノウエは紛れもなくパウンド・フォー・パウンドのスーパースターの雰囲気を漂わせている」と指摘。オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)やサウル・“カネロ”・アルバレス(メキシコ)、ワシリー・ロマチェンコ(ウクライナ)ら世界的な名手たちを引き合いに出して、今の井上が「最高のファイターが最盛期に持つ雰囲気を醸している」と訴えた。

 最高のファイターの条件として「自分自身の地位や名声、周囲の反応、そしてイメージや評判を重視する意識」を挙げた同メディアは、無敗街道を歩み、スターとしての地位を確固たるものとしている井上を「最も称賛されているアスリートの一人だ」と指摘。渡米後から自然体を貫く、32歳の風格を称えた。

「イノウエはジョシュアやアルバレスに見られるように、完璧な身だしなみと服装でイベントに望んでいた。そして、ジョシュアやアルバレスのように、減量も苦にせず、健康そうに見えたし、彼自身が永遠に最も注目を集めると信じているようにも見えた」

 トラッシュトークを必要とせず、己の強さのみで、「最強」を証明してきた井上。そんな冷静な日本人スターがラスベガスで何を見せるのか。その一挙手一投足には、ボクシングのメッカで熱視線が注がれている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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